【休日が、空へ引っ越す】ヒロ・ヤマガタ『スカイフェスティバル』シルクスクリーンのご紹介
ご来館ありがとうございます、
やまアートミュージアム館長の山本です。
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本日も心に残る一枚をお届けします。
本日ご紹介するのは、ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/1948- )のシルクスクリーン『スカイフェスティバル』(1995年・限定50部・作家直筆サイン有り・画寸 縦85cm×横63cm)です。澄んだ青空に気球と飛行船が上がり、雲の上では人がくつろぐ、空いっぱいがお祭りになった縦長の大作。地上の休日がそのまま空へ引っ越したような一枚です。本作はいま在庫がなく、当ギャラリーが専属でお探しする作品です(ご相談無料)。
この記事でわかること
- 『スカイフェスティバル』の基本情報(1995年・限定50部・縦85cm×横63cm・作家直筆サイン有り・シルクスクリーン)
- この絵に描かれているものが、気球から糸杉まで残らず「上を向いている」こと
- ピクニックが芝生ではなく雲の上で行われている理由と、その愉快さ
- シルクスクリーンが「塗る」ではなく「押し出す」技法であり、色が濁らない仕組み
- 「ヤマガタブルー」と白い雲が果たす役割、朝と夜で主役が入れ替わる色の読み方
- 人類飛行200周年の祝典ポスターに選ばれた画家が、12年後にもう一度「空の祭り」を描いたこと
- この作品に合う額装3パターンと、飾ったときの空間の変化

① 本日のご紹介作品
本日ご紹介するのは、ヒロ・ヤマガタ氏の『スカイフェスティバル』という作品です。
この絵の前に立つと、顎が上がります。
気球が上がっていきます。
飛行船が横切っていきます。
シャボン玉が、風に乗って流れていきます。
そして雲の上では、人がのんびり寝そべっています。
地上でやるはずの休日が、そっくりそのまま空へ引っ越してしまった一枚です。
正直に言うと、私がこの絵を最初に見たとき、視線がなかなか下りてきませんでした。
下のほうにはサーカスのテントも、万国旗も、青い芝生も描いてあります。
それなのに、目が勝手に上へ上へと連れていかれるんです。
今日この『空へ引っ越した休日』がどうやって組み立てられているかを知っていただけたら、絵を壁のどの高さに掛けるかの決め方が変わると思います。
そして、この作品には先にお伝えしておきたいご案内があります。
いまお手元にご用意できる在庫はなく、当ギャラリーが「あなたの専属」としてお探しする一枚です。
すぐのお届けはお約束できません。
見つかるまでに数ヶ月かかることも、もっと先になることもあります。
ただ、ご希望を先に伺っておけば、市場に現れた瞬間にまっ先にご連絡できます。
ご相談は無料です。
まずは、この空の上のお祭りを、一緒に見上げてみてください。
② 空を祝う絵を、国から任されてきた画家
ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/本名 山形博導)は、1948年に滋賀県米原で生まれた画家です。
高校時代の美術教師だった日本画家、椙村睦親に師事したところから絵の道が始まっています。
1972年に渡欧し、翌年にはパリ国立美術学校の聴講生となりました。
1978年にロサンゼルスへ移り、最初の個展で成功を収めています。
そのあとの歩みは、画歴というより公的な記録に近い形で残っています。
1983年、作品『エア・ショー』が、人類飛行200周年記念財団の記念祝典ポスター作品に選ばれました。
同財団の名誉会長は、当時の大統領レーガンです。
1984年にはロサンゼルス市の観光誘致キャンペーン公式ポスターを手がけ、以降5大会連続で米国オリンピック委員会の公式ポスターを制作しています。
同じ1984年に、ロードアイランド州が9月21日を「ヒロ・ヤマガタの日」と定めました。
1986年には、自由の女神100周年記念事業団の公式ポスターも制作しています。
・・・ただ、年表で語れるのはここまでです。
私たちが壁に掛けるのは経歴ではなく、一枚の紙ですから。
この画家が「空」と「祝い」を何度も国から任されてきたという事実だけ、頭の隅に置いておいてください。
本作を見るとき、その一点が効いてきます。
③ 数字で見る『スカイフェスティバル』
- 作者:ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/本名 山形博導)
- タイトル:スカイフェスティバル
- 技法:シルクスクリーン
- 制作年:1995年
- エディション:限定50部
- サイン:作家直筆サイン有り
- 画寸:縦85cm × 横63cm
- 体裁:あなた専用の新品額装にてご提供いたします
まず押さえておきたいのは、大きさです。
縦85cm、横63cm。
A1サイズのポスターを縦に立てたくらいの寸法です。
版画の世界では、はっきりと大作の部類に入ります。
そして限定50部。
ヒロ・ヤマガタの版画には、数百部で刷られたものが少なくありません。
その中で50という数字は、だいぶ小さいほうです。
コレクターとして正直に言えることがあるとすれば、部数の少ない大作ほど、市場では「出てこない」んですよね。
総数が少ないので、手放す人が現れる確率そのものが低い。
・・・ただ、数字で語れるのはここまでです。
ここからは、この縦85cmの中で何が起きているのかという話をさせてください。
④ この絵には、上がっていくものしか描かれていない
本作を眺めていて、途中で気づいたことがあります。
画面に描かれているものが、ほとんど全部「上を向いている」んです。
気球は膨らんで上がっていきます。
シャボン玉も上がっていきます。
飛行船は浮かび、小さな飛行機は上昇していきます。
右手に並ぶ糸杉は、まっすぐ空を指しています。
下のサーカステントは、とんがった屋根の先端が上を向いています。
万国旗は、風を受けて斜め上にはためいています。
重さを感じさせるものが、どこにもありません。
そして画面の中央、いちばん大きな雲の上に人がいます。
おいだ美術のアーカイブは本作をこう紹介しています。
「可愛い飛行道具で自由に空を飛ぶ人々。そこには、雲の上でくつろぐ女性がいたり、ボール遊びをする人がいたりと、ちょっと不思議な世界の中で伸び伸びとした楽しさ溢れる作品です。」
雲の上で、くつろぐ。
ここがこの絵のいちばん愉快なところだと私は思っています。
ピクニックというのは、ふつう芝生の上でやるものです。
この絵では、その芝生が下にちゃんと描かれている。
それなのに人は、わざわざ雲まで上がって寝そべっているんですね。
地上のお祭りが、重力をほどいて、そのまま空へ引っ越してしまった。
そう考えると、気球もシャボン玉も飛行船も、全部その引っ越しの荷物に見えてきます。
・・・そして、ここからが本題です。
この絵を家の壁に掛けると、同じ動きが部屋でも起きます。
絵の中のものが上を向いているので、見る人の視線も自然と上がるんです。
朝、ばたばたと支度をしている最中にふと顔を上げる。
そこに空があって、気球が上がっている。
それだけで、下を向いていた一日の始まりが、少し変わります。
⑤ 色が濁らないのは、押し出しているから
さらにすごいのは、この「空へ引っ越した休日」が、どうやって紙の上に定着しているかという部分なんです。
シルクスクリーンは、絵の具を塗る技法ではありません。
押し出す技法です。
細かい網目の張られた版に、インクを通す穴を開けておきます。
そこへインクをのせて、ヘラで一気に押し出す。
すると色は紙にしみ込まず、紙の上へ面として乗ります。
ハンコを押す動きがいちばん近いと思っていただければ大丈夫です。
これを、色の数だけ繰り返します。
ヒロ・ヤマガタは、この重ねの回数で知られた画家です。
公式サイトは、300色を超える色彩を自在に操る画家として彼を紹介しています。
版を替えて、紙を置き直して、また押す。
1回でもずれたら、気球の縞が崩れます。
本作で言えば、空に散った何十個もの気球の色分け、シャボン玉の縁に出る虹、万国旗の一枚ごとの配色、テントの紅白の縞。
これが縦85cmの中に全部入っていて、しかもどれも濁っていません。
塗り重ねではなく、乗せ重ねだからです。
色が互いに溶けないので、隣り合った赤と緑がそれぞれの顔のまま並びます。
結果として、画面は賑やかなのに、ひとつひとつの色が独立して見える。
遠くから見れば「空いっぱいのお祭り」、近づけば気球一個ずつの集合体です。
版画は、原画の代わりではありません。
作者が「この表現を余さず届けたい」と選んだ、もうひとつの完成形です。
鉛筆のサインとエディションナンバーは、作者がその一枚を自分の作品として認めた合格印にあたります。
限定50部という数字は、売るための演出ではなく、この工程そのものから生まれた数です。
⑥ ヤマガタブルーと、白の逃げ場
ここからは、色の話をさせてください。
この絵でいちばん面積を取っているのは、空の青です。
ヒロ・ヤマガタの青には呼び名があります。
作品『ペリエ』を境に青空を描くようになり、以後その青は「ヤマガタブルー」と呼ばれるようになりました。
本作の上半分は、そのヤマガタブルーがほぼ遮られずに広がっています。
ここに白い雲がぽんぽんと置かれているのが効いています。
賑やかな画面を長く見ていると、目はどこかで休みたくなるものです。
そのとき、視線は必ず白い雲へ逃げます。
逃げ場があるから、長く眺めていられるんですね。
反対に、黒に近い色もちゃんと仕込まれています。
左側の大きな木と、右側に並ぶ糸杉です。
この濃い緑は影ではなく、静けさの役を担っています。
両端に濃い色があるおかげで、真ん中の青がいっそう軽く見える。
時間帯でも表情が変わります。
朝の自然光の下では、空の青が澄んで、気球の赤や黄色が一粒ずつはっきり立ち上がります。
窓をもう一枚開けたような明るさになる時間です。
夜、電球色の照明を落とし気味にすると、今度は糸杉とテントの深い色が前に出てきます。
青は一歩引いて、お祭りが終わりに近づいた時間の温度になります。
朝は空の絵、夜は祭りの絵。
同じ一枚で、主役が入れ替わります。
もうひとつ、この絵には音があります。
人の顔はほとんど描き込まれていないのに、遠くの歓声のような気配だけが伝わってきます。
気球のバーナーが鳴る音、旗がはためく音、芝生の上の笑い声。
静止画なのに、耳のあたりがにぎやかになる一枚です。
音のある絵を一枚持っていると、無音の部屋がそれほど静かでなくなります。
これは飾ってみて初めて分かる効き目です。
⑦ 「人が空を飛んで200年」を祝う絵に、選ばれた画家
ここで、この作品の見え方が変わる事実をひとつお伝えします。
②で触れた1983年の出来事です。
人類飛行200周年を記念する財団が、その祝典のポスターに選んだのが、ヒロ・ヤマガタの『エア・ショー』でした。
人が初めて空へ上がってから200年。
その節目を祝う絵に、この画家が指名されたということです。
そう知ってから、もう一度この『スカイフェスティバル』を見てみてください。
描かれているのは、気球、飛行船、複葉機、そして人が自分で漕いでいるような小さな飛行道具です。
つまり、人類が空を飛ぶために考えてきた乗り物が、ひと通り並んでいます。
本作が制作されたのは1995年。
あの祝典から12年後になります。
空を祝う仕事を任され続けた画家が、誰に頼まれたわけでもなく、自分のために「空の祭り」をもう一度描いた。
私はこの一枚を、そう見ています。
だから上がっていくものしか描かれていないのだろうと感じられます。
⑧ この絵には、どんな額が合う?
ここからは、この作品にどんな額装が合うのか、私のおすすめを3パターンご紹介させていただきます。
雲を広げる『ホワイト額装』
まずは定番の、白い額装です。
この作品に白をおすすめする理由は、無難だからではありません。
絵の中に、すでに主役級の白が置かれているからです。
画面でいちばん明るい白は、空に浮かぶ雲にあります。
そこへ白い額を回してやると、額の白と雲の白がつながって、空が壁の外へ続いているように見えてきます。
黒い額でも締まりますが、縦85cmの大作だと、黒い枠は「絵の終わり」をはっきり宣言してしまうんですね。
白で外周を開けると、青がどこまで広いのか分からなくなる。
その曖昧さが、この絵には合います。
マットはオフホワイトで回しますので、青と白の境目がやわらかくつながります。
おすすめは、家族が集まるリビングです。
ソファに座ったときの目線より、少し高めに掛けてみてください。
見上げる角度になると、絵の中の気球が本当に上がっていくように見えます。
朝の光の下では、空の青が澄んで、部屋全体が一段明るくなります。
夜、照明を落とすと、白い雲だけがぼんやり残って、天窓のような顔になります。
私自身の話をすると、自宅に絵を迎えた日は、飾る場所を決めきれずに壁を変えては離れて眺め直していました。
届いてから一時間近く、そのまま座って見ていたのを覚えています。
照明を落としたときに部屋そのものの格が変わってしまうことに驚いたのも、その夜でした。

祭りを立たせる『赤色額装』
青い絵に、赤い額?と思われるかもしれませんが、この作品でこそ試していただきたい案です。
狙いははっきりしています。
画面の下にあるお祭りを、前へ引き出すんです。
この絵の下半分には、紅白のサーカステント、赤い気球、万国旗の赤が散らばっています。
額を赤にすると、その赤たちが一本の線でつながって、画面の下側がぐっと持ち上がります。
すると上の青との間に、はっきりした高低差が生まれる。
空がより高く見えるようになる、という仕掛けです。
落ち着いた深みのある赤ですので、派手になりすぎる心配はいりません。
おすすめは、カフェや待合スペースといった商業空間です。
人が座って待つ場所に、人が集まっているお祭りの絵を掛ける。
この相性が、思っている以上にいいんです。
日中の自然光では、赤い額が白い壁とくっきり分かれて、遠くの席からでも視線を集めます。
夕方の暖色照明の下では、額の赤が壁の色に馴染んで、絵だけがふわりと浮きます。
待っている人は、手持ち無沙汰になると必ず壁を見ます。
そのとき、目の前に上がっていく気球がある。
待ち時間が、少しだけ軽い時間に変わります。

空を深くする『ロイヤルブルー額装』
3つめは、少し意外に思われるかもしれませんが、『ロイヤルブルー額装』です。
ヤマガタブルーを、額の側から支える案になります。
同じ青を回すと絵が沈むのでは、と思われるかもしれません。
実際は逆のことが起きます。
額のロイヤルブルーのほうが、空の青より濃いんです。
濃い青に囲まれると、画面の中の青は「明るい青」として認識されます。
結果として、空が一段深く、そして遠くなります。
大作を、壁の奥へ一歩引かせたいときに効く組み合わせです。
おすすめは、応接室や書斎といった、人を迎える部屋です。
昼間は窓からの光で額のブルーが澄んで、絵の前の空気がすっと整います。
夜に間接照明を当てると、額が暗く沈んで、空だけが明るく残ります。
来客の方が腰を下ろして、ふと顔を上げたときに目に入る。
そういう位置に掛けておくと、「これは誰の絵ですか」から会話が始まります。
絵を飾る時間というのは、たいてい一人では終わりません。
帰ってきた家族を呼んで、少し高かったかな、いや低いかな、と言い合う。
その会話まで含めて、この額装の提案だと思っています。

⑨ まとめ
『スカイフェスティバル』は、休日がまるごと空へ引っ越した一枚です。
気球も、シャボン玉も、飛行船も、糸杉も、テントの屋根も、万国旗も。
描かれているものが残らず上を向いているから、見る人の顔も自然と上がります。
遠くから見れば空いっぱいのお祭り、近づけば気球一個ずつの集合体。
写真では絶対に伝わらないのが、この落差です。
それは、買った人だけが知る顔だと思います。
1995年制作、限定50部、作家直筆サイン入りのシルクスクリーン。
画寸は縦85cm×横63cmの大作です。
この作品は、いま在庫がなく、当ギャラリーが専属でお探しする一枚です。
名品は、ある日ふいに、たいてい一度きり市場に現れます。
先にご希望を伺っておくことで初めて、現れた瞬間に確保してご連絡できます。
この作品を、あなたのためにお探しします。
ご相談は無料です。しつこい営業はいたしません。
まずは「これを探しています」と、一声おかけください。
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縦85cm×横63cmは、どんな壁に向いていますか?
一枚で壁の主役が務まる大きさですので、ソファ上の壁、玄関正面、階段の踊り場といった「見上げる位置を取れる壁」に向いています。画寸は縦85cm×横63cmですが、マットと額縁を回すと外寸はおおよそ縦110cm前後になります。描かれているものが上を向いている絵ですので、目線よりやや高めに掛けると、気球が上がっていく動きがそのまま伝わります。
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