【まぶたの裏の光を宿す】トム・エバハート『Lagoon Lullaby Ⅱ』ミクスドメディアのご紹介

ご来館ありがとうございます、やまアートミュージアム館長の山本です。

やまアートミュージアムは、私が運営するネットショップ『やまアートギャラリー』の魅力をご紹介するオンラインミュージアムです。

本日も心に残る一枚をお届けします。

『Lagoon Lullaby Ⅱ』は、チャールズ・シュルツから世界で唯一ピーナッツを自由に描くことを認められた画家トム・エバハートによる、世界125部限定のミクスドメディア版画です。2025年制作、Lagoon Lullabies 第一楽章(First Verse)の一点。親友シュルツを失った画家がタヒチのラグーンで見出した『心を鎮める光』を、黄色と緑の明るさで描いています。直筆サイン・限定番号・本物証明書が付属し、新品額装にてお届けします。

この記事でわかること

  • トム・エバハートがシュルツ公認で唯一ピーナッツを自由に描ける画家である理由
  • 『Lagoon Lullaby』シリーズが2000年のシュルツ氏の死とタヒチのラグーンから生まれた背景
  • シリーズの中で本作『Ⅱ』だけが際立って明るい理由(心を鎮めるための明るさ)
  • 流れるにまかせた色と一発勝負の線を重ねる、ミクスドメディアという技法の正体
  • 朝と夜で表情が入れ替わる色彩の仕組みと、スヌーピーの白が持つ役割
  • この作品に映えるおすすめ額装3パターンと、空間に飾ったイメージ
  • 世界125部限定という希少性と、付属する証明書

トム・エバハート『Lagoon Lullaby Ⅱ』ミクスドメディアの全体像

本日のご紹介作品

本日ご紹介する作品は、トム・エバハート氏の『Lagoon Lullaby Ⅱ』という作品です。

明るい場所で、目を閉じたときのことを思い出してみてください。

まぶたを下ろしても、暗くはならないんですよね。

黄色とも橙ともつかない明るさが、まぶたの裏いっぱいに広がって、その中でいつのまにか眠ってしまう。

この絵は、その『まぶたの裏の光』が、そのまま壁に掛かっているような一枚です。

正直に言うと、私がこの絵を初めて見たとき、シリーズの中でこの一枚だけ時間帯が違うと思ったんです。

他の作品が夜の水面なら、これは陽の高い時間の昼寝だと。

ところが、この明るさの出どころを知ってから、見え方がまるきり変わりました。

今日この作品の背景を知っていただくと、『明るい絵』が『心を鎮めるための絵』に変わると思います。

この作品は、トム・エバハートのミクスドメディア作品を多数取り扱うネットショップ『やまアートギャラリー』でご紹介しています。

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ただ一人、ピーナッツを託された画家

トム・エバハート氏は1952年生まれのアメリカ人画家です。

イェール大学で美術を学び、パリのオランジュリー美術館で研究を続けた、正統な美術教育の出身者になります。

その彼が、スヌーピーの生みの親であるチャールズ・シュルツ氏と出会い、深い親交を結びました。

そして世界でただ一人、ピーナッツのキャラクターを自由に描くことを公式に認められます。

ここが大事なところで、エバハート氏はスヌーピーを「借りて」描いているのではありません。

シュルツ氏が線を託した相手として、自分の絵画の中にスヌーピーを住まわせているんです。

・・・そして、その関係が終わった日から、このシリーズは始まっています。

数字で見る『Lagoon Lullaby Ⅱ』

  • 作家:トム・エバハート(Tom Everhart)
  • 作品名:Lagoon Lullaby Ⅱ
  • 制作年:2025年
  • 技法:ミクスドメディア
  • エディション:世界限定125部
  • サイズ:縦33cm × 横33cm
  • 仕様:下余白に作家の直筆サインとエディションナンバー、本物証明書が付属
  • シリーズ:Lagoon Lullabies 第一楽章(First Verse)の一点

世界で125部というのは、コレクションの世界ではかなり小さい数字です。

日本国内に何部入ってくるかを考えると、同じ構図を店頭で見比べられる機会はまず訪れません。

コレクターとして正直に言えることがあるとすれば、こういう小さなエディションは「次に出たときに買おう」が通用しないんですよね。

・・・ただ、数字で語れるのはここまで。

ここからは、この明るさがどこから来たのかという話に入っていきます。

2000年の喪失と、タヒチという答え

2000年、エバハート氏は親友のチャールズ・シュルツ氏を亡くしました。

本人はのちに、この喪失のあと外の世界をまったく新しい形で感じ直す必要に迫られたと振り返っています。

そして、その『soothing』つまり心を鎮めることへの欲求が、自分をタヒチへ導いたのだと語っています。

25年前のことでした。

それから20年以上、彼のスタジオはタヒチのラグーンの上に浮かんでいます。

水面の上に建てられたスタジオですから、昼間は水に反射した光が下から天井へ跳ね上がってくる。

その揺れる反射を、毎日毎日、天井越しに浴びながら描き続けてきたわけです。

『Lagoon Lullabies』は、その環境そのものを絵にしたシリーズです。

タイトルを訳せば「ラグーンの子守唄」。

音を伝える『Coconut Radio』シリーズに続く仕事として、今度は心を鎮める歌を描いた、という位置づけになります。

ここまで知ると、最初の印象が逆さまになります。

この絵が明るいのは、楽しいからではありません。

親友を失った人間が、生きていくために必要だった明るさなんです。

休日の午後、ソファで本を読んでいて、いつのまにか眠ってしまうことがありますよね。

目を閉じても窓の光がまぶたの裏に残っていて、その明るさに包まれたまま意識が落ちていく。

この絵を飾った部屋では、その時間が毎日そこにある状態になります。

制御しない色と、制御しきった線

さらに面白いのは、この一枚が正反対の二つの仕事でできているところです。

まず背景を見てください。

黄色と緑が溶け合い、桃色と青がぶつかり、そこから絵具が下へ垂れています。

この垂れた跡は、消していません。

これがどのくらいのことか?というと、絵具が流れた方向というのは、描いた人間にも最後まで読めないんです。

紙の傾き、絵具の濃さ、その日の湿り気で変わってしまう。

つまり背景は、作家が『制御しないと決めた』領域になります。

ところがスヌーピーの輪郭線を見ると、話がまったく変わります。

一本の黒い線だけで、仰向けに伸びた体と、垂れた耳と、閉じた目が描いてある。

迷い線がありません。

流れるにまかせた色の上に、一発勝負の線を置いている。

ミクスドメディアというのは、こうした性格の違う工程を一枚の紙の上に積み重ねていく技法です。

にじみの層を敷き、乾かし、その上から版を重ね、最後に線を通す。

工程がひとつずれれば、流れた色と線の位置関係が狂います。

だから刷り上がりを一枚ずつ確かめて、納得したものにだけサインが入る。

余白の鉛筆サインは装飾ではなく、作者の合格印なんですよね。

125部という数字も、売るために決めた数ではありません。

この工程を通せる枚数が、そもそもそれだけだったという話です。

黄色は音量、白は呼吸

・・・と、ここまでで技法の話をしてきましたが、この絵の本当の力は色のほうにあります。

この作品の主役は黄色です。

ただし、レモンのような澄んだ黄色ではありません。

緑と混じって、少し濁りのある黄色になっています。

この濁りが効いていて、澄んだ黄色だと目が疲れるんですが、緑が入ると途端に眺めていられる明るさに落ち着くんです。

朝の光の下で見ると、この黄色は軽く澄んで立ち上がります。

部屋の空気が一段明るくなったように感じられて、こちらの背筋も少し伸びる。

ところが夜、照明を落として見ると、同じ黄色が奥に引っ込みます。

代わりに、緑と青が静かに前に出てくる。

昼は光の絵で、夜は水の絵。

一枚で二枚ぶんの表情を持っている作品です。

そして見落とされがちなのが、スヌーピーの白です。

あれだけ色が渦巻いている画面の中で、スヌーピーの体だけが塗られていない白のまま残されています。

この白が、画面の中の『息つぎ』になっているんです。

色を追って動いていた目が、白にたどり着いた瞬間に止まる。

止まった先に、眠っている体がある。

だから見ている側まで、ひとつ呼吸が深くなります。

黒の使い方も静かです。

この絵の黒は、影を作るための黒ではありません。

輪郭を閉じて、眠りを守るための黒だと感じられます。

もうひとつ、この絵には音があります。

垂れた絵具の縦の線は、見ていると雨だれのように感じられますし、滲みの広がりは水面の輪のようにも見える。

色を目で追っているだけなのに、静かな水の音が聞こえてくる気がする。

子守唄というタイトルが、比喩ではなく実感として入ってくる瞬間です。

この絵にはどんな額が合う?

ここからはこの作品にどんな額装が合うのか、私のおすすめを3パターンご紹介させていただきます。

光をそのまま通す『ホワイト額装』

まずはご家族の集まるリビングに、白で。

この作品は周囲に紙の白がたっぷり残っていますから、白い額はその余白を途切れさせずに壁へつないでくれます。

結果として、絵の明るさが額で止まらず、部屋のほうへ流れ出します。

朝、カーテンを開けた直後がいちばん気持ちのいい時間です。

外光と絵の黄色が同じ方向を向いて、部屋全体が一段明るく起き上がってくる。

夕方になると今度は、白い額がわずかに橙を含んで、絵の緑を落ち着かせます。

以前、お客様から、待ちに待った絵をご主人の帰りを待って一緒に壁に掛けたというお便りをいただいたことがあります。

忙しい毎日の疲れが吹っ飛びました、と書いてくださっていました。

飾るという行為そのものが家族の時間になる。

白い額は、その日を気負いなく迎えられる額です。

『ホワイト額装』×リビング設置イメージ

水の緑を引き受ける『セージグリーン額装』

2案目は寝室に、くすんだ緑で。

明るい絵に緑の額を合わせると沈むのでは?と思われるかもしれませんが、実際は逆に働きます。

この作品の中でいちばん広い面積を占めているのは、黄色に混ざった緑です。

その緑を額が引き受けると、画面の黄色だけが相対的に浮かび上がる。

絵が暗くなるのではなく、明るい部分の純度が上がるんです。

寝室にこの組み合わせを置くと、夜がよくなります。

間接照明だけにした部屋で、緑の額の中に『まぶたの裏の光』が静かに灯っている。

眠る前に目を向ける場所がそこにある、という状態です。

朝は朝で、目を開けて最初に入ってくるのが黄色の明るさになります。

一日の入口と出口の両方を、同じ一枚が引き受けてくれます。

子守唄という名前の絵を枕元に置くというのは、わりに贅沢な選択だと思うんです。

『セージグリーン額装』×寝室設置イメージ

色を際立たせる『ウォルナット額装』

3案目は、カフェや待合のある商業空間に、濃い木目で。

人が入れ替わる空間では、絵は遠くから見られます。

遠目で効くのは色の鮮やかさですから、濃いウォルナットで画面の外側を締めてやると、黄色と桃色の発色が一段強く飛んでくる。

木目の茶色は、木のテーブルや床とも素直に馴染みます。

昼の営業時間は、窓からの光で絵が明るく開きます。

夜にスポットを落とすと、今度は額の木目が艶を持って、絵の静けさのほうが前に出る。

参道の途中に、自然に囲まれてお地蔵さんがポツンと置かれているのを見たことがあります。

それだけで自然と目が行って、引きつけられてしまったんですよね。

壁の絵もまったく同じで、空間の中に『ポツン』とあるだけで人の目を集めます。

カウンターの奥にこれが一枚あるだけで、お客様が「あれはスヌーピーですか」と話しかけてくださる。

会話の入口になる絵です。

『ウォルナット額装』×カフェ設置イメージ

まとめ

『Lagoon Lullaby Ⅱ』は、明るい絵です。

けれどその明るさは、親友を失った画家が生きていくために必要とした明るさでした。

タヒチのラグーンの上で、天井に跳ねる水の光を20年以上浴びながら描かれた、心を鎮めるための歌です。

目を閉じても消えない、あの『まぶたの裏の光』。

それを125部だけ、紙の上に留めた一枚になります。

画像でご覧いただいている今の印象と、実物を壁に掛けてから数日後の印象は、おそらく違います。

遠目では一色に見えていた黄色が、近づくと何色も重なっていると分かる。

朝と夜で表情が入れ替わることに気づく。

それは、買った人だけが知る顔です。

世界で125部、同じ構図は二度と刷られません。

次にこの一枚が市場に現れるのがいつになるかは、誰にも分かりません。

今この瞬間に出会えたという事実を、ご自身の暮らしの中の確かな時間に変えていただければ嬉しく思います。

この作品の詳細・ご購入はこちらから。

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作品のご不明点や額装のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

よくあるご質問

この作品は本物ですか?

作家トム・エバハート本人の直筆サインが入った本物です。下余白に直筆サインと限定番号が入り、本物証明書が付属します。海外の提携ギャラリーから直接取り寄せた、まだ一度もコレクターの手に渡っていない新品未使用の状態でお届けします。

額装は変更できますか?

はい、額装のご相談を承っております。本記事では『ホワイト額装』『セージグリーン額装』『ウォルナット額装』の3案をご提案していますが、お部屋の雰囲気に合わせた額装をご提案しますのでお気軽にお問い合わせください。

送料はかかりますか?

送料は無料です。表示の販売価格がそのままお支払金額となります。海外からのお取り寄せのため、お支払い後4〜5週間程度でのご発送となります。

『Lagoon Lullaby』シリーズは何枚ありますか?

全9枚です。本作『Ⅱ』は第一楽章(First Verse)にあたる一点で、2026年4月に新作が加わり9枚シリーズへ拡充しました。1枚ずつ独立した作品のため、単独で飾っても成立します。

シリーズの中で、なぜこの『Ⅱ』だけ明るいのですか?

主題が『心を鎮めること』だからです。エバハート氏は2000年に親友チャールズ・シュルツ氏を亡くしたあと、外界を新しいかたちで感じ直す必要に迫られてタヒチへ渡りました。本作の黄色と緑の明るさは、楽しさの表現ではなく、画家が生きていくために必要とした『soothing』の光として描かれています。