【見上げる夏を壁に掛ける】ヒロ・ヤマガタ『日本のエッセンス 夏の富士』シルクスクリーンのご紹介
ご来館ありがとうございます、やまアートミュージアム館長の山本です。
やまアートミュージアムは、私が運営するネットショップ『やまアートギャラリー』の魅力をご紹介するオンラインミュージアムです。
本日も心に残る一枚をお届けします。
本日ご紹介するのは、ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/1948- )のシルクスクリーン『日本のエッセンス 夏の富士』(エディション126/300・35.5×35.5cm)です。青空に大小の熱気球が浮かび、その中央に夏の富士が立ち、手前では色とりどりの服の人々が一斉に空を見上げている一枚。本作はいま在庫がなく、当ギャラリーが専属でお探しする作品です(ご相談無料)。
この記事でわかること
- ヒロ・ヤマガタがどんな画家で、なぜ気球の絵が世界の記念事業に選ばれてきたのか
- 『日本のエッセンス 夏の富士』の基本情報(技法・エディション・サイズ)
- 富士を主役に据えず「見上げる夏の一日」を描いた構図の意味
- 十数個の気球と数十人の人物を濁らせずに刷る、シルクスクリーンの版の重ね方
- この作品に合う額装3パターンと、飾ったときの空間の変化

① 本日のご紹介作品
本日ご紹介するのは、ヒロ・ヤマガタ氏の『日本のエッセンス 夏の富士』という作品です。
見た瞬間、あごが少し上がるんですね。
青い空に気球が浮かんでいて、視線がひとりでに上へ引き上げられていく。
正直に言うと、私はこの絵を初めて見たとき、無意識に背筋を伸ばしていました。
きれいだと思うより先に、体のほうが「見上げる」姿勢をとっていたんです。
そして画面の下では、色とりどりの服を着た人たちが、同じように空を向いて集まっている。
絵の中の全員と、絵を見ている自分の首が、同じ角度になる。
それがこの一枚の仕掛けです。
今日この見方を知っていただけたら、なぜこの絵の前で人が明るい顔になるのか、きっと腑に落ちると思います。
そして、この作品には少し特別なご案内があります。
いまお手元にご用意できる在庫はなく、当ギャラリーが「あなたの専属」としてお探しする一枚です。
すぐのお届けはお約束できませんが、ご希望を伺っておけば、市場に現れた瞬間にまっ先にご連絡できます。
ご相談は無料です。
まずは、この絵の魅力を最後までご覧ください。
② 気球を描いて、世界の祝祭に呼ばれた画家
ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/山形博導)は、1948年に滋賀県で生まれた画家です。
高校を卒業した1967年、高校の美術教師であった日本画家の椙村睦親に師事しました。
1972年に渡欧し、翌1973年にはエコール・デ・ボザール(パリ国立美術学校)の聴講生となります。
1974年にサロン・ドートンヌやフランス画家協会展へ出品し、1978年にロサンゼルスへ移住しました。
転機は1983年です。
気球の浮かぶ空を描いた作品『エアーショー』が、人類飛行200周年記念財団の記念祝典ポスターに選ばれました。
このころ確立された鮮やかな青は、のちに「ヤマガタ・ブルー」と呼ばれることになります。
翌1984年にはロサンゼルス市の観光誘致キャンペーン公式ポスターの原画を制作。
1986年には自由の女神100周年記念の公式作品、2000年にはグラミー財団から公式アーティストに任命されています。
世界が何かを祝うたび、その年の顔として選ばれてきた画家、ということですね。
その画家が、自分の生まれた国へ視線を戻して描いた連作が、この「日本のエッセンス」です。
③ 数字で見る『日本のエッセンス 夏の富士』
まず、この作品の基本情報を整理します。
- 作家:ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/1948- )
- タイトル:日本のエッセンス 夏の富士
- 技法:シルクスクリーン
- エディション:126/300
- サイズ:縦35.5cm × 横35.5cm
300部のうちの126番。
残りの299枚は、いま世界中のどこかの壁に掛かっています。
正方形に近い画面というのも、この作品の見どころのひとつです。
縦にも横にも同じだけ余白があるので、空の高さと、地上の賑わいが、どちらも欠けずに収まっているんですね。
コレクターとして正直に言えることがあるとすれば、この規模の作品は、探していると声を上げている人のところにだけ順番が回ってくるんですよね。
④ 富士は動かない、だから全員が空を見上げられる
・・・ただ、数字で語れるのはここまで。
ここからは、この一枚がどんな絵なのか、その中身の話に迫っていきたいと思います。
富士を描いた絵は、数え切れないほどあります。
その多くは、山を主役に据えて、堂々と、めでたく描かれてきました。
けれどヤマガタがこの絵で描いているのは、富士そのものというより、富士のある夏の一日の「にぎわい」なんです。
画面の上半分は、混じり気のない青空です。
その真ん中に富士が立ち、白い雲の帯が裾のあたりを横切っています。
そして空には、大小の熱気球がいくつも浮かんでいます。
赤と白のしま模様、黄色、緑。
高いところに浮かぶものほど小さく、遠くまで続いていきます。
視線を下ろすと、裾野には夏の緑が広がり、白い鳥が低く飛んでいる。
画面のいちばん手前には、色とりどりの服を着た人たちが、大勢集まっています。
両手を高く上げている人がいて、白い翼をつけた人が宙を舞い、はしごを立てている人もいる。
その全員が、空のほうを向いているんですね。
富士は、この絵の中でいちばん動かないものです。
動かないものが真ん中にあるから、気球も人も、安心して上を向いていられる。
飾ってみると、その効果は暮らしの中でもっとよくわかります。
たとえば夏の朝、まだ静かなリビングでこの絵の前を通ると、部屋の天井が少し高くなったように感じられる。
そして気球を目で追っているうちに、自分の顔も少し上を向いている。
そういう絵なんです。
⑤ 青を、青のまま濁らせない
さらにこの絵がすごいのは、この「見上げる夏」を、シルクスクリーンという版画で組み上げているところなんです。
どういうことか?というと、シルクスクリーンは、色を一色ずつ、版を替えて刷り重ねていく技法です。
型紙を当てて、その上から一色ずつ絵の具を通していく。
それを寸分の狂いもなく、何度も繰り返していく作業だと思ってください。
ここで難しいのが、空です。
この絵の空は、上のほうが濃く、地平に近づくほど薄くなっていきます。
しかもその上に、気球が十数個も乗っている。
気球は一つひとつが赤・白・黄・緑のしま模様で、そのしま一本ごとに別の版が要ります。
小さい気球ほど版はシビアで、一度でもズレれば、しまは重なって太り、輪郭がにじみます。
そして手前の人物です。
指の先ほどの大きさの人が数十人いて、その服の色がすべて違う。
その一人ひとりに正しい色を置いて、なお背景の緑を濁らせない。
版画は、原画の安い代わりではありません。
作家が自分の表現を余すところなく届けるために選んだ、もうひとつの完成形です。
だからこそ、エディションナンバーは「基準に届いた刷りだけが世に出た」という、作家自身の合格印になるんですね。
⑥ 朝は空が主役、夜は気球が灯る
・・・と、ここまでで技法のすごさをお分かりいただけたかと思いますが、この一枚の見どころは、時間帯によって主役が入れ替わるところにあります。
朝、部屋に自然光が入る時間には、空の青がいちばん強く出ます。
画面は上から下へ抜けるように開けて、富士の白がすっと立ち上がる。
窓がもう一枚増えたような明るさですね。
ところが夜、照明を落とすと、青が奥へ沈みます。
すると今度は、気球の赤と黄色だけが前に出てきて、暗い空にランタンが灯っているように見えてくるんです。
昼は「空の絵」、夜は「灯りの絵」。
一枚で二つの顔を持っています。
そして面白いのが、手前の人だかりです。
昼は緑の裾野に紛れている小さな色の粒が、夜になると、遠くの祭りの人影のように浮かび上がってきます。
じっと見ていると、風にふくらむ布の音や、地上のざわめきまで聞こえてきそうな気さえします。
にぎやかなのに、うるさくない。
この一枚を長く飾っていられる理由は、たぶんそこにあります。
⑦ 「日本のエッセンス」というシリーズ
この作品が属する「日本のエッセンス」は、日本各地の名所や季節の情景を描いた連作です。
三千院や薬師寺、龍安寺、玄宮園といった主題が知られていて、富士はその中の一点にあたります。
海外の都市風景や気球を華やかに描いてきた画家が、同じ筆づかいで日本の風景に向き合った連作、という位置づけですね。
だからこの絵の富士は、絵はがきのような正確さではなく、「日本の夏はこういう明るさだ」という翻訳になっています。
日本の名所を描いた作品が、海外の方への贈り物として喜ばれてきたのも、この翻訳の力によるところが大きいと感じています。
⑧ この絵には、どんな額が合う?
ここからは、この作品にどんな額装が合うのか、私のおすすめを3パターンご紹介させていただきます。
空を伸ばす『ホワイト額装』
まずは定番の、オフホワイトの額装です。
この絵は空の面積が広く、雲の白が画面をぐるりと巻いています。
そこへ明るい白の額を回すと、雲の白が額まで続いて、空が紙の外へはみ出したように見えるんですね。
結果として、壁の一角だけ天井が高くなったような抜け感が生まれます。
おすすめは、家族が集まるリビングです。
朝の陽が入る時間には、白い額が光を返して、青がいっそう澄んで見えます。
夜、あかりを落とすと、額の白だけが淡く残って、気球の色が浮かび上がる舞台になってくれます。
壁の前で足を止めた家族が、「どの気球に乗りたい?」と言い合う。
そんな会話が生まれる一枚です。

藍で締める『インディゴ額装』
青い空の絵に、青い額?と思われるかもしれませんが、この絵にはあえて、日本の藍に近い深いインディゴを合わせる案もおすすめしたいんです。
作品の青と額の藍が同じ家族の色なので、境目がやわらかくつながり、そのぶん富士の白と気球の赤だけが二段階明るく抜けてきます。
華やかな絵なのに、額のおかげで全体が静かに落ち着くんですね。
これが似合うのは、応接室や書斎です。
昼は窓の光で藍が青みを見せ、夜は間接照明の下で、ほとんど黒に近い色に沈みます。
来客がソファに腰を下ろした瞬間、視線がふっと上のほうへ吸い寄せられて、「これは富士ですか」と自然に口が開く。
言葉より先に、その部屋の格が伝わる組み合わせです。

夏草を添える『オーク額装』
3つめは、少し意外に思われるかもしれませんが、明るい木肌のオーク額装です。
青と緑の絵に木の色を添えると、裾野の夏草と額とが呼応して、絵の中の地面が部屋の床までつながったように感じられます。
見ている側が、あの人だかりの後ろに立たせてもらえたような近さが出てくるんですね。
おすすめは、光の入るカフェや待合の空間です。
コレクターとして自宅に絵を掛けてみて感じるのは、木の額を選んだときだけ、絵が「窓」ではなく「その場所の続き」になることなんです。
私自身、届いた日に飾る場所を決めきれず、何度も壁に当ててみた覚えがあります。
昼は木目が陽を受けて白っぽく明るく、夜は照明の下で蜂蜜のような色に変わります。
席についたお客様が、注文したことを忘れて、しばらく壁のほうを見上げている。
そんな時間を作ってくれる組み合わせです。

⑨ まとめ
富士は動かず、気球はのぼり、人は空を見上げる。
その「見上げる夏」は、飾った人の暮らしの中で、朝と夜とで違う表情を見せてくれます。
朝は空の絵、夜は灯りの絵。
それは、買った人だけが知る顔です。
そして、この『日本のエッセンス 夏の富士』は、いまはどこかで、次の持ち主を静かに待っている一枚です。
名品は、ある日ふいに、たいてい一度きり市場に現れます。
だからこそ、先に「私はこの絵を待っています」と教えておいていただくことで、当ギャラリーはその瞬間にまっ先にご連絡できます。
この作品を、あなたのためにお探しします。
ご相談は無料です。
しつこい営業は、いたしません。
すぐのご用意はお約束できませんが、あなたの一声があって初めて、この一枚は「あの方のための夏だ」と、探し当てることができます。
この作品を、あなたのために専属でお探しします(ご相談は無料)
作品のご不明点や額装のご相談は、お気軽にお問い合わせください。すぐのご用意はお約束できませんが、ご希望を伺っておけば、市場に現れた瞬間にまっ先にご連絡いたします。
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「あの作品、まだどこかにあるだろうか」そんな作品がありましたら、お気軽にご相談ください。作家名や作品名がうろ覚えでも構いません。海外ディーラー・オークション・非公開ネットワークから、お客様だけの一点をお探しします。ご相談・調査はすべて無料。お見積もりまでで終了いただいても構いません。
よくあるご質問
この作品は本物ですか?
はい、ヒロ・ヤマガタの本物のシルクスクリーンです。エディション126/300のナンバー入り作品で、お探しの上でご案内する際は、一点ごとに状態と真贋を確認したうえでお伝えします。
いますぐ購入できますか?
いいえ、本作はいま在庫がなく、当ギャラリーが専属でお探しする「お探しリクエスト」の作品です。ご希望を伺ってから国内外のネットワークでお探しし、見つかり次第、価格とともにご連絡します。数ヶ月かかることも、見つからない場合もございますが、ご相談・調査は無料です。
額装は変更できますか?
はい、額装のご相談を承っております。本記事でご紹介した3案以外でも、飾る部屋の壁色や家具に合わせてご提案いたします。お探しした個体をご案内する際に、あわせてご相談ください。
送料はかかりますか?
国内は送料無料でお届けしております。額装済みの作品を、専用の梱包でお送りします。
エディション番号で価値は変わりますか?
基本的には変わりません。シルクスクリーンのエディションナンバーは刷った順番を示すもので、300部はいずれも作家が出来栄えを確認して署名した一枚です。番号の若さより、状態と真贋、そして額装の質のほうが、長く飾るうえでは重要だと考えています。
正方形に近い画面は、どんな壁に向いていますか?
柱と柱の間や、階段の踊り場など、横幅の限られた壁に向いています。本作は35.5×35.5cmと縦横がほぼ同じで、横長の風景画では収まらない狭い壁面にも構図が欠けずに収まります。額装すると一回り大きくなるため、実際の設置スペースは事前にご相談ください。
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