【一輪ずつの顔と暮らす】トレンツ・リャド『白薔薇』シルクスクリーンのご紹介

ご来館ありがとうございます、やまアートミュージアム館長の山本です。

やまアートミュージアムは、私が運営するネットショップ『やまアートギャラリー』の魅力をご紹介するオンラインミュージアムです。

本日も心に残る一枚をお届けします。

トレンツ・リャド(J. Torrents Lladó)の『白薔薇』は、世界限定250部・サイン有りのシルクスクリーン作品です。深い群青に囲まれた生垣の中で、白い薔薇が数えられるほどだけ咲く40cm四方の一枚。花数を抑えたぶん、一輪ずつの表情が際立ちます。本作は在庫ではなく、ご希望を伺ってからお探しする『専属お探し』作品として承っています。

この記事でわかること

  • トレンツ・リャド『白薔薇』の基本情報(世界限定250部・サイン有り・40×40cm・シルクスクリーン)
  • 肖像画で国際的に知られた画家リャドの人物像と、その目がこの薔薇に効いている理由
  • 光を奥に置いた構図の効果と、群青の上に白を重ねるシルクスクリーンの技法
  • この作品に合う額装3パターンと、飾ったときの空間イメージ
  • 『専属お探し』の仕組み(無料リクエスト・無保証でお探しします)

トレンツ・リャド『白薔薇』シルクスクリーンの全体像

本日のご紹介作品

本日ご紹介する作品は、トレンツ・リャド氏の『白薔薇』という作品です。

まず、薔薇の数を数えてしまう絵なんです。

両手で足りるくらい。花の絵としては、決して多いほうではありません。

けれど数が少ないぶん、一輪ずつの顔がはっきり見えてくる。

うつむいた花、こちらを向いた花、ほどけかけた花。どれも表情が違います。

正直に言うと、初めてこの絵を見たとき、自分が花を「数えて」いることに驚きました。群れとして眺めるのではなく、一輪ずつと目が合ってしまうんです。

今日この作品を知っていただけたら、「花の絵は、花が多いほど華やか」という思い込みが、少しほどけるかもしれません。

なお、この作品はいま手元にある在庫ではなく、やまアートギャラリーで『専属お探し』として承っている一枚です。すぐのご用意はできませんが、ご希望を伺えれば、あなたの専属としてお探しします。▶ 作品ページはこちら

人の顔を見つめ続けた画家

トレンツ・リャド(J. Torrents Lladó/1946-1993)は、スペイン・バダロナに生まれた画家です。地中海に浮かぶマヨルカ島のパルマで、その生涯を終えました。

二十代のはじめにパルマにアトリエを構え、以後この島の光を描き続けました。

その名を国際的に知らしめたのは、じつは風景ではなく肖像画でした。フアン・カルロス1世やモナコ公国のカロリーヌ王女、ティッセン男爵といった人々の肖像を手がけています。(出典:バダロナ市立美術館 展覧会解説)

その同じ国王から、スペインの至宝と称えられた画家でもあります。

パルマには自ら創設した美術学校が残り、旧アトリエは今も家博物館として公開されています。

人の顔をひたすら見つめ続けた画家が、庭の薔薇に向き合ったとき。生まれたのが、この一枚です。

数字で見る『白薔薇』

まず、この作品の基本情報を整理しておきます。

  • 作家:トレンツ・リャド(J. Torrents Lladó)
  • タイトル:白薔薇
  • 技法:シルクスクリーン
  • エディション:世界限定250部
  • サイン:サイン有り
  • サイズ:縦40cm × 横40cm

40cm四方の、手のひらに近い距離で向き合える正方形です。

限定250部。コレクターとして正直に言えることがあるとすれば、この寸法の正方形は飾る場所を選ばないんですよね。市場に出てくると静かに、しかし確実に誰かの手へ渡っていきます。

・・・ただ、数字で語れるのはここまで。この絵がなぜ心に残るのかは、数字の外にあります。

生垣の手前に立つということ

リャドが暮らしたマヨルカ島は、一年の多くをやわらかな光が包む土地です。

けれどこの絵で光が当たっているのは、手前ではありません。画面の奥、生垣の向こう側に、黄緑の帯のような明るさが一本だけ横たわっています。

つまり私たちは、日向ではなく、生垣のこちら側の影に立って庭を見ていることになります。

肖像画家は、モデルの正面に光を当てず、半分影に置いたときに顔が立ち上がることを知っています。

この薔薇たちも同じで、光を背にしているからこそ、白がのっぺりせず、一輪ずつ陰影を持って浮かび上がってくるように感じられます。

飾ってみると、この構図が効いてきます。朝、コーヒーを淹れて壁の前を通り過ぎるとき、絵の奥のほうがふっと明るく見える。

部屋の中にいながら、日の当たる庭を影から眺めているような、ひんやりした奥行きが立ち上がるんです。

一色ずつ、網の目から押し出す

さらに惹かれるのは、この庭がシルクスクリーンという版画で刷られていることです。

どういうことか?というと、細かな網の目を張った版を作り、その上からインクを一色ずつ押し出して紙に置いていく技法なんですね。

Tシャツにプリントを入れる工程を思い浮かべていただくと、原理はほとんど同じです。ただし色の数だけ版があり、それを寸分たがわず重ねていきます。

この作品の場合、下地になっているのは画面を覆う深い群青です。その濃い色の上に、薔薇の淡い白を置いていく。

濃い色の上に淡い色を乗せるには、下を透かさない厚みのある層が要るはずで、一色ぶんの重みが他の絵より大きいように感じられます。

だから近くで寄ると、白の中に淡い桃色や灰青がのぞき、群青の上には白い飛沫が散っているのが見えてきます。一枚の紙の上に、色の層がいくつも畳み込まれているのがわかります。

音を吸う群青と、消灯後に残る白

この絵の群青は、明るい青ではありません。ビロードの厚いカーテンのように、部屋の音まで吸い込んでいくような重さのある青です。

その青が画面の大半を占めているので、絵の前に立つと、まず音量が一段下がる感じがします。

朝の光の中では、群青がわずかに紫へ寄って軽くなり、奥の黄緑の帯がいちばん明るく見えます。

夜、照明を落とすと今度は群青が深く沈み、黄緑も暗がりに溶けていく。最後まで見えているのは、白い薔薇だけです。

寝る前に部屋の明かりを消しても、しばらく白だけが壁に残っている。

冷たい青を「静けさ」だとすれば、白い薔薇はそこに置かれた「体温」です。

色を意味で読むのではなく、明るさの順番で見る。そうすると、この絵が一輪ずつの顔を見せるために、あれだけ広い群青を必要としたのだとわかってきます。

この絵にはどんな額が合う?

ここからは、この作品にどんな額装が合うのか、私のおすすめを3パターンご紹介させていただきます。(お探しした一枚をお迎えいただいた『その先』を想像する手がかりとして、ご覧ください。)

顔を際立たせる『ホワイト額装』

まず王道は、白の『ホワイト額装』です。

この絵でいちばん明るいのは白い薔薇ですから、額縁にも同じ白を置くと、画面の内と外で白が呼応します。深い群青がその二つの白に挟まれ、青の面がぐっと引き締まる。

結果として、一輪ずつの顔がさらに前へ出てきます。

リビングの、家族が自然と集まる壁におすすめです。朝は白が光を受けて軽やかに、夜は照明の下で落ち着いた乳白に沈む。

「この花、昨日より開いてない?」そんな他愛のない会話が、ソファのそばで生まれます。

『ホワイト額装』×リビング設置イメージ

青を深くする『インディゴ額装』

変化球のひとつめは、深い藍の『インディゴ額装』です。

青い絵に青い額?と思われるかもしれませんが、この絵の群青は明るく澄んだ青ではなく、暗さを含んだ青なんです。そこに同系の藍を添えると、色がぶつからず、画面の青がそのまま壁へ静かに広がっていきます。

絵の輪郭が消えて、壁に窓が一つあいたように見えてくる。

カフェの、通りに面した明るいテーブル席の壁などにおすすめです。昼は窓からの光でコーヒーの湯気ごしに庭の一角として、夕方は照明が落ちるほどにその窓だけが青くともる。

長居したくなる席が、一つ増えます。

『インディゴ額装』×カフェ設置イメージ

奥の光を引き出す『抹茶色額装』

もうひとつは、和の抹茶をおもわせる緑の『抹茶色額装』です。

この絵の奥にある黄緑の帯は、面積としてはごくわずかですが、庭に空気を通している大事な一本です。その色を額縁が拾うと、埋もれていた奥の明るさが引き出され、生垣の向こう側までの距離が伸びます。

夜景の見えるリビングや、一枚だけを掛ける応接の壁におすすめです。

実は私自身、緑の額は作品と喧嘩すると思って長らく避けていました。彩度を落とした抹茶の緑なら、絵の中の緑を主張させずに手伝えると知ってから、見方が変わりました。

昼は自然光の中で緑が穏やかに沈み、夜は照明を受けて白薔薇だけが浮かび上がる。一日のうちで二度、違う顔を見せてくれる額装です。

『抹茶色額装』×応接設置イメージ

まとめ

数を減らしたぶん、一輪ずつの顔が見えてくる。深い群青をあれだけ広く取ったのは、たぶんそのためです。

そして絵そのものにも、暮らしてみないと見えてこない顔があります。朝の光でひらき、消灯後にも白だけが残る。

それは、買った人だけが知る顔です。

この『白薔薇』は、いま手元にある一枚ではありません。世界限定250部。名品は、ある日ふいに、たいてい一度きり市場に現れます。

そのときに「どなたが探しているか」を私が知らなければ、せっかく現れた一枚も見送るしかありません。先にご希望を伺っておけたときに初めて、「あの方のための白薔薇だ」と気づいて確保し、ご連絡できます。

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「似た雰囲気の作品でも」「予算はこのくらいで」といったご相談も歓迎です。専属お探しサービスの詳細はこちらをご覧ください。

よくあるご質問

この作品はすぐに購入できますか?

いいえ。本作は在庫ではなく『専属お探し』作品です。ご希望を伺ってから、当ギャラリーが国内外のオークション・ディーラー網からお探しし、見つかり次第、状態と価格をあらためてご連絡します。数ヶ月以上お時間をいただく場合や、見つからない場合もございます。ご相談・お見積もりまでは無料です。

この作品は本物ですか?

はい、トレンツ・リャドのサイン入り・世界限定250部の正規のシルクスクリーン作品です。お探しして確保した個体については、状態と真贋の確認情報をお迎え前にお伝えいたします。

40cm四方は、飾るには小さくありませんか?

いいえ、この作品にはむしろ適したサイズです。花数を抑えた画面のため、一輪ずつの表情を近い距離で見てこそ生きる一枚だからです。額装をすると全体では50cm前後になり、玄関やデスク横、階段の踊り場のような、人が足を止めて近づく場所によく合います。

額装は選べますか?

はい。お迎えいただく際は、あなた専用の新品額装にてご用意し、額装のご相談も承っております。本記事の3パターンのように、お部屋に合わせてご提案いたします。

送料はかかりますか?

お探しした作品をお迎えいただく際の配送方法・送料は、確保時に作品の状態・サイズとあわせてご案内いたします。安全な梱包で丁寧にお届けします。