【海の手前の夏を迎える】ヒロ・ヤマガタ『ホテルカルフォルニア(DX)』シルクスクリーンのご紹介

ご来館ありがとうございます、やまアートミュージアム館長の山本です。

やまアートミュージアムは、私が運営するネットショップ『やまアートギャラリー』の魅力をご紹介するオンラインミュージアムです。

本日も心に残る一枚をお届けします。

本日ご紹介するのは、ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/1948- )の限定250部シルクスクリーン『ホテルカルフォルニア(DX)』です。サーフボードと水着の人々が舗道を埋めつくすのに、海はどこにも描かれていない一枚。海があるのは壁の観光ポスターの中だけです。本作はいま在庫がなく、当ギャラリーが専属でお探しする作品です(ご相談無料)。

この記事でわかること

  • ヒロ・ヤマガタがどんな画家で、なぜパリとカリフォルニアが同じ通りに立つのか(渡仏からロサンゼルス移住までの経歴)
  • 『ホテルカルフォルニア(DX)』の基本情報(限定250部・サイン有り・縦38cm×横30cm)と、お探し品ゆえにエディション番号が空欄である理由
  • 画面の中に海が一滴も描かれていないという事実と、その読み方
  • 100色以上を重ねるシルクスクリーンが、群衆・サーフボード・斜めの看板をどう成立させているか
  • 深い紺の舗道が原色を立たせる仕組みと、朝夜で入れ替わる見え方
  • この作品に合う額装3パターンと、飾ったときの空間の変化

ヒロ・ヤマガタ『ホテルカルフォルニア(DX)』シルクスクリーンの全体像。傾いたHOTEL CALIFORNIAの看板の下、サーフボードと水着の人々が舗道を埋めつくす

① 本日のご紹介作品

本日ご紹介するのは、ヒロ・ヤマガタ氏の『ホテルカルフォルニア(DX)』という作品です。

画面の下半分が、水着の人で埋まっています。

サーフボードが立ち並び、浮き輪が転がり、ビーチボールが階段を跳ねていく。

なのに、足元はアスファルトなんですね。

正直に言うと、私はこの絵を初めて見たとき、砂浜を探して画面を一周してしまいました。

そして気づいたんです。
この絵の中に、海が一滴も描かれていない。

海があるのは、壁に貼られた観光ポスターの中だけです。

今日この一枚が『海の手前の夏』を描いているとわかると、画面じゅうの浮かれ方の正体が、きっと腑に落ちると思います。

そして、この作品には少し特別なご案内があります。

いまお手元にご用意できる在庫はなく、当ギャラリーが「あなたの専属」としてお探しする一枚です。

すぐのお届けはお約束できません。

ただ、ご希望を先に伺っておけば、市場に現れた瞬間にまっ先にご連絡できます。

ご相談は無料です。
まずは、この賑やかな通りを一緒に歩いてみてください。

② ロサンゼルスの顔になった、パリ帰りの画家

ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/本名 山形博導)は、1948年に滋賀県米原に生まれた画家です。

1972年、24歳で渡仏し、パリで制作と勉強の日々を送ります。

サロン・ドートンヌなどに出品しながら、ヨーロッパで作品を発表していた時期ですね。

そして1978年、ロサンゼルスへ移り住みます。

現地の画廊と契約して開いた最初の個展が大きな成功を収め、そこから一気に名前が知られていきました。

作風は、シルクスクリーンで100色以上の色を重ねる多色刷りです。

1983年には、気球の浮かぶ空を描いた『エアーショー』が、人類飛行200周年記念財団の公式ポスター作品に選ばれました。

このころに確立された鮮やかな青が、のちに「ヤマガタ・ブルー」と呼ばれるようになります。

翌1984年には、ロサンゼルス市の観光誘致キャンペーンの公式ポスターを手がけました。

同じ年、ロードアイランド州が9月21日を「ヒロ・ヤマガタの日」に定めています。

つまりこの画家は、パリで20代を過ごしたあと、ロサンゼルスという街の「顔」を描く役目を任された人なんですね。

その二つの土地が、この一枚の中で同じ通りに立っています。

③ 数字で見る『ホテルカルフォルニア(DX)』

まず、この作品の基本情報を整理します。

  • 作家:ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/1948- )
  • タイトル:ホテルカルフォルニア(DX)
  • 技法:シルクスクリーン
  • エディション:限定250部
  • サイン:サイン有り
  • サイズ:縦38cm × 横30cm
  • 体裁:あなた専用の新品額装にてご提供いたします

エディション番号と状態は、あえて空欄のままにしてあります。

本作はこれからお探しする一枚で、何番の刷りが出てくるかは、そのときの巡り合わせで決まるからです。

確保できた時点で、番号も状態も正直にお伝えします。

コレクターとして正直に言えることがあるとすれば、250部という数は、日本中に散らばってしまうと驚くほど小さな数なんですよね。

④ 海のない海水浴場

・・・ただ、数字で語れるのはここまで。

ここからは、この通りに何が起きているのか、その話に迫っていきたいと思います。

画面のいちばん上に、看板が並んでいます。

『BUREAU DE TOURISME』。
フランス語で、観光案内所という意味です。

そのショーウィンドウには、『RIVIERA COTE D'AZUR』と書かれた青いポスターが貼られています。

南フランスの海岸、コート・ダジュールですね。

窓辺にはゼラニウムの鉢が並び、黄と紫の縞のオーニングが張り出しています。

石造りの壁も、外づけの階段も、どう見てもヨーロッパの街角です。

ところが、その前に横たわっている巨大な看板を見てください。

縦文字で『CALIFORNIA』、その手前に『HOTEL』。

しかもこの看板、まっすぐ立っていないんです。

画面を斜めに横切るように、大きく傾いだまま止まっています。

右手の壁には、青い海と空を刷った『MALIBU』『SANTA MONICA』のポスター。

つまりこの通りには、南仏の海と、カリフォルニアの海が、向かい合わせで貼られているわけですね。

そして、そのどちらの海も、この絵の中には現れません。

現れるのは、海へ行く支度をした人たちのほうです。

サーフボードが何本も立てかけられ、ゴルフバッグが並び、テニスラケットを持った人がいる。

ピンクのエアマットの上では、もう二人が寝そべって日光浴を始めています。

浮き輪を抱えた人が階段を駆け下り、星模様のビーチボールが宙に浮いている。

白い自転車が二台、スケートボードが一台、犬が一匹。

そして左手には、三脚を据えたカメラマンが、この騒ぎをじっと構えています。

数えるのをあきらめるくらいの人が、水着のまま、舗道の上で夏を始めてしまっている。

面白いのは、その中に黒い衣装の一団が混ざっていることです。

きちんと黒を着た人たちが、水着の海と同じ舗道に立っている。

誰も気にしていません。

この絵が描いているのは、海そのものではなく、海へ向かう手前の、いちばん浮かれている時間なんですね。

飾ってみると、その効果は暮らしの中でよくわかります。

たとえば梅雨の午後、窓の外が灰色でも、この壁の前だけ気温が2度ほど高い気がしてくる。

そして冬の朝、通りすがりに「そういえば今年はどこへ行こうか」と言葉が出る。
そういう絵なんです。

⑤ 100色を重ねて、やっと『ざわめき』が立つ

さらにこの絵がすごいのは、この人だかりと道具の山を、シルクスクリーンという版画で組み上げているところなんです。

どういうことか?というと、シルクスクリーンは、色ごとに版を分けて刷り重ねていく技法です。

型紙を当てて、その上から一色だけを通す。
それを寸分の狂いもなく、何度も繰り返していく作業だと思ってください。

ヒロ・ヤマガタは、この重ねる回数が桁外れの画家として知られています。

一般的な多色刷りが20色前後とされるなかで、この画家は100色以上を用いる作風で名を上げました。

その色数が、この絵では全部、人と道具に化けています。

指の先ほどの大きさの人物が、舗道をびっしり埋めている。

その一人ひとりの水着、帽子、鞄、髪の色が、少しずつ違う。

一色分の版がズレれば、その人だけ輪郭が二重になり、群衆が汚れて見えます。

サーフボードもそうです。

一本の板の上で色が縦に切り替わり、しかも先端は細く尖っている。

細い形の中で色を並べるほど、版のズレは目立ちます。

そして、あの傾いた看板です。

縦組みの『CALIFORNIA』の文字は、斜めに置かれたうえ、電球の粒まで一つずつ描かれています。

斜めの線は、版画にとっていちばん粗が出やすい向きなんですね。

これを何十枚もの版でやり切って、ようやくあの「ざわめき」が画面に立ちます。

版画は、原画の安い代わりではありません。

作家が自分の表現を余すところなく届けるために選んだ、もうひとつの完成形です。

だからこそ、余白の直筆サインは「基準に届いた刷りだけが世に出た」という、作家自身の合格印になるんですね。

⑥ 地面が紺色だから、原色が立つ

・・・と、ここまでで技法のすごさをお分かりいただけたかと思いますが、この一枚でいちばん語りたいのは、地面の色です。

これだけ原色を並べておいて、画面が散らからないのはなぜか。

答えは、舗道です。

この絵の地面は、灰色ではなく深い紺色で塗られています。

そこへ影が青緑で流れ、石畳の目地が黒く走っている。

暗くて落ち着いた面が画面の下半分を占めているから、その上に乗った赤・黄・水色が、飛び出して見えるわけですね。

赤い水着も、オレンジのビーチボールも、この紺の上でしか、あの明るさになりません。

そして白です。

白い自転車、白い縞のパラソル、白い鳩。

派手な色が続いた目が、白のところで一度ひと息つく。
白は、この絵の呼吸の着地点です。

黒も効いています。

黒い衣装の一団は、賑わいの中に置かれた錘のようなもので、あれがあるから画面がふわふわ浮き上がらずに済んでいる。

時間帯で、この関係は入れ替わります。

朝、自然光が入る部屋では、紺の地面が明るく持ち上がって、群衆の一人ひとりの色までよく見えます。

画面全体が、開場直後の海の家のように賑やかになる。

ところが夜、照明を落とすと、紺が黒の側へ沈みます。

すると人の細部が引いて、看板の電球と黄色いオーニングだけが、点々と残って見えてくるんです。

昼は「人の絵」、夜は「看板の絵」。
一枚で二つの時間を持っています。

じっと見ていると、ビーチサンダルが石畳を叩く音や、遠くの笑い声まで聞こえてきそうな気がします。

にぎやかなのに、うるさくない。
この一枚を長く飾っていられる理由は、たぶんそこにあります。

⑦ 看板が、そのまま一枚のプレイリストになっている

もうひとつ、見落としやすい楽しみがあります。

画面に書かれた文字を、上から順に読んでいくときです。

『HOTEL CALIFORNIA』『WHISPER NOT』『SOLEIL』『MALIBU』『SANTA MONICA』『JAZZ FESTIVAL』。

音楽の題名のような言葉が、通りの左右にずらりと並んでいます。

これは記録ではなく、この画家の遊びだと私は見ています。

看板は本来、店の名前を伝えるためのものです。

その看板に、行きたい場所と聴きたい音の名前ばかりを書いていく。

絵の中を歩きながら、口の中で読み上げてみてください。

それだけで、この通りがどんな気分の場所なのか、伝わってくるはずです。

⑧ この絵には、どんな額が合う?

ここからは、この作品にどんな額装が合うのか、私のおすすめを3パターンご紹介させていただきます。

光を通す『ホワイト額装』

まずは定番の、オフホワイトの額装です。

この絵は、地面の紺と原色が強くぶつかり合う画面でできています。

そこへ明るい白の額を回すと、絵と壁のあいだにひと呼吸ぶんの余白が生まれて、色の勢いが壁へこぼれずに済むんですね。

賑やかな一枚なのに、部屋のほうは静かなまま収まります。

おすすめは、家族が集まるリビングです。

朝の陽が入る時間には、白い額が光を返して、水着の一人ひとりの色まで見えてきます。

夜、あかりを落とすと、白い枠だけが淡く残って、看板の電球が舞台の照明のように浮かび上がります。

壁の前で足を止めた家族が、「この人たち、海に行く途中なのかな」と言い合う。
そんな会話が生まれる一枚です。

『ホワイト額装』×家族のリビング設置イメージ。オフホワイトの額が賑やかな画面と壁のあいだに余白を作る

夜を締める『ネイビー額装』

明るい絵に、暗い額?と思われるかもしれませんが、この絵にはあえて、舗道と同じ深い紺を合わせる案をおすすめしたいんです。

額の紺と地面の紺がつながるので、画面の下側が壁に溶けていきます。

そのぶん、上半分の看板と原色だけが、壁の中に浮かんで見えてくるんですね。

これが似合うのは、応接室や書斎です。

昼は窓の光で紺がやわらかい藍色に見え、夜は間接照明の下で、ほとんど黒に沈みます。

来客がソファに腰を下ろした瞬間、視線が壁へ吸い寄せられて、「これ、どこの街ですか」と自然に口が開く。

言葉より先に、その部屋の気配が伝わる組み合わせです。

『ネイビー額装』×応接室・書斎設置イメージ。深い紺の額が舗道の紺とつながり看板と原色だけが浮かぶ

海を連れてくる『水色額装』

3つめは、少し意外に思われるかもしれませんが、淡い水色の額装です。

この絵に描かれていないものは、たった一つ、海でした。

その足りない一色を、額のほうが持ってくるという考え方です。

水色の枠を回した瞬間、絵の中の人たちが「これから向かう先」が、画面の外側に用意されます。

窓の外の景色が、絵の続きになるような感じですね。

おすすめは、朝から開けているカフェや、待合のある明るい商業空間です。

昼は自然光を受けて、枠が白に近い水色に飛びます。

夜は照明の下で少しくすみ、絵の紺と落ち着いて並びます。

コレクターとして自宅に一枚飾ってみて感じたのは、届いた日に飾る場所を決めきれず、壁を変えては離れて眺め直してしまうことなんです。

遠目には一色に見えた面が、近づくと何色も重なっていて、私は開梱してから1時間近く、そこから動けませんでした。

席についたお客様が、注文したことを忘れて、しばらく絵の中の通りを目で歩いている。
そんな時間を作ってくれる組み合わせです。

『水色額装』×明るいカフェ設置イメージ。淡い水色の額が絵に描かれていない海の色を持ち込む

⑨ まとめ

サーフボードが立ち、浮き輪が転がり、水着の人が舗道を埋めている。

それでも、海はどこにも描かれていません。

この絵が持っているのは、海そのものではなく、海に着く手前の、いちばん浮かれている時間のほうです。

朝は人の絵、夜は看板の絵。

そして、待っている時間がいちばん楽しいことを、この一枚は知っています。

それは、買った人だけが知る顔です。

そして、この『ホテルカルフォルニア(DX)』は、いまはどこかで、次の持ち主を静かに待っている一枚です。

世界に250部。
名品は、ある日ふいに、たいてい一度きり市場に現れます。

だからこそ、先に「私はこの絵を待っています」と教えておいていただくことで、当ギャラリーはその瞬間にまっ先にご連絡できます。

この作品を、あなたのためにお探しします。
ご相談は無料です。
しつこい営業は、いたしません。

すぐのご用意はお約束できませんが、あなたの一声があって初めて、この一枚は「あの方のための夏だ」と、探し当てることができます。

この作品を、あなたのために専属でお探しします(ご相談は無料)

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作品のご不明点や額装のご相談は、お気軽にお問い合わせください。すぐのご用意はお約束できませんが、ご希望を伺っておけば、市場に現れた瞬間にまっ先にご連絡いたします。

よくあるご質問

この作品は本物ですか?

はい、ヒロ・ヤマガタの本物のシルクスクリーンです。お探しした個体をご案内する際は、一点ごとに直筆サインの有無・エディション番号・状態と真贋を確認したうえでお伝えします。

いますぐ購入できますか?

いいえ、本作はいま在庫がなく、当ギャラリーが専属でお探しする「お探しリクエスト」の作品です。ご希望を伺ってから国内外のネットワークでお探しし、見つかり次第、価格とともにご連絡します。数ヶ月かかることも、見つからない場合もございますが、ご相談・調査は無料です。

エディション番号や状態が書かれていないのはなぜですか?

本作がこれからお探しする一枚だからです。限定250部のうち何番の刷りが出てくるかは、そのときの巡り合わせで決まります。確保できた時点で、番号も状態も正直にお伝えします。

額装は変更できますか?

はい、額装のご相談を承っております。本記事でご紹介した3案以外でも、飾る部屋の壁色や家具に合わせてご提案いたします。お探しした個体をご案内する際に、あわせてご相談ください。

送料はかかりますか?

国内は送料無料でお届けしております。額装済みの作品を、専用の梱包でお送りします。

これだけ色数の多い絵は、部屋がうるさくなりませんか?

この作品に限っては、その心配は小さいと考えています。画面の下半分を占める舗道が深い紺で、原色はその上に点として散っているため、色の総量ほど騒がしく見えません。壁色が白い部屋では紺や水色の額で締め、色数の多い部屋ではオフホワイトの額で余白を作ると、より収まりがよくなります。