【二度咲く金を壁に宿す】ヒロ・ヤマガタ『金閣寺 ゴールデンパビリオン』シルクスクリーンのご紹介
ご来館ありがとうございます、やまアートミュージアム館長の山本です。
やまアートミュージアムは、私が運営するネットショップ『やまアートギャラリー』の魅力をご紹介するオンラインミュージアムです。
本日も心に残る一枚をお届けします。
本日ご紹介するのは、ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/1948- )のシルクスクリーン『金閣寺 ゴールデンパビリオン』(限定300部・作家直筆サイン入り・画寸 縦76cm×横60cm)です。紺の夜に浮かぶ金閣と、鏡湖池の黒い水面に映り込むもう一棟。金が上と下で二度咲く構図の一枚です。本作はいま在庫がなく、当ギャラリーが専属でお探しする作品です(ご相談無料)。
この記事でわかること
- 『金閣寺 ゴールデンパビリオン』の基本情報(限定300部・縦76cm×横60cm・作家直筆サイン入り)
- 世界の記念事業の公式ポスターを任されてきた画家が、日本の夜へ視線を戻した一枚だということ
- 金閣の前に広がる鏡湖池とはどんな池で、なぜ楼閣がまるごと映り込むのか
- いま私たちが見ている金閣が「一度失われて、もう一度貼り直された金」である理由
- シルクスクリーンが「塗る」ではなく「押し出す」技法であり、金が紺と混ざらない仕組み
- 一日の中で主役が花から金へ二度入れ替わる、色の読み方
- 金箔が貼られているのは二層と三層だけ、という絵の中の写生
- この作品に合う額装3パターンと、飾ったときの空間の変化

① 本日のご紹介作品
本日ご紹介するのは、ヒロ・ヤマガタ氏の『金閣寺 ゴールデンパビリオン』という作品です。
この絵を見ると、目が同じ金を二度見つけます。
一度目は、紺色の夜に浮かび上がった楼閣そのもの。
二度目は、その真下の、黒い水の中です。
上と下で、金が二度咲いている。
正直に言うと、私が長く見てしまったのは、下の金のほうでした。
上の金閣は輪郭がはっきりしているのに、水の中の金閣は縁がほどけて、少し揺れているんです。
同じ建物なのに、下のほうがやわらかい。
今日この二度目の金の見方を知っていただけたら、夜を描いた絵の選び方が変わると思います。
そして、この作品には特別なご案内があります。
いまお手元にご用意できる在庫はなく、当ギャラリーが「あなたの専属」としてお探しする一枚です。
すぐのお届けはお約束できません。
見つかるまでに数ヶ月かかることも、もっと先になることもあります。
ただ、ご希望を先に伺っておけば、市場に現れた瞬間にまっ先にご連絡できます。
ご相談は無料です。
まずは、この二度咲く金の前に、一緒に立ってみてください。
② 世界の祝祭を任されてきた画家が、故郷の夜へ戻る
ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/本名 山形博導)は、1948年に滋賀県坂田郡米原町に生まれた画家です。
1972年にパリ国立美術学校へ留学し、1978年にはロサンゼルスへ移住しました。
移住後の初個展が成功を収め、そこから世界の記念事業が、この画家を呼び続けることになります。
1983年、人類飛行200周年記念財団の祝典ポスターに作品が選ばれました。
1984年にはロサンゼルス市の観光誘致キャンペーンの公式ポスターを手がけています。
同じ年、ロードアイランド州は9月21日を「ヒロ・ヤマガタの日」と定めました。
その後も、自由の女神100周年、長野冬季オリンピック、グラミー賞と、公式の絵を任され続けます。
一般的な多色刷りが20色前後とされるなかで、100色以上を重ねる鮮やかな画面が、その理由でした。
・・・ただ、経歴で語れるのはここまでです。
ここからは、その画家が日本の夜へ視線を戻したときに何が起きたのか、という話に入っていきます。
③ 数字で見る『金閣寺 ゴールデンパビリオン』
まず、この作品の基本情報を整理します。
- 作家:ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/1948- )
- タイトル:金閣寺 ゴールデンパビリオン
- 技法:シルクスクリーン
- エディション:限定300部
- サイン:作家直筆サイン入り
- 画寸:縦76cm × 横60cm
- 体裁:あなた専用の新品額装にてご提供いたします
エディション番号だけは、あえて空欄にしてあります。
本作はこれからお探しする一枚で、何番の刷りが見つかるかは、そのときにならないと分からないからです。
確保できた時点で、番号も状態も、正直にお伝えします。
コレクターとして正直に言えることがあるとすれば、この手の作品は、探していると伝えてある人のところにしか声がかからないんですよね。
④ 鏡湖池という、もうひとつの画布
描かれているのは、京都・鹿苑寺の金閣です。
金閣の前に広がる池は、鏡湖池と呼ばれます。
鏡の湖、という名前がそのまま役割になっている池なんですね。
風のない夜、この水面には楼閣がまるごと映り込みます。
ヤマガタがこの絵で選んだのは、まさにその、水が鏡に変わる時間でした。
画面の上半分は、星の粒が降りしきる紺色の空です。
下半分は、光をいっさい返さない黒い水です。
その境目に、金閣が一棟だけ置かれています。
そして水の中に、もう一棟。
ここで一度、建物そのものの来歴にも触れておきます。
いま私たちが見ている金閣は、1950年に焼失し、1955年に再建された姿です。
さらに昭和の大修復で金箔が貼り替えられ、現在の輝きになりました。
つまりこの金は、何百年も前から続いてきた古い金ではありません。
一度失われて、もう一度貼り直された金なんです。
そう思って水面を見ると、下の金閣の揺れ方が少し違って見えてきます。
飾ってからの話をすると、この絵は夜に強い一枚です。
家の明かりを落として、廊下からリビングへ戻る途中にふと壁を見ると、そこだけまだ祭りが続いている。
一日の終わりに、その場所を通るのが楽しみになる。そういう絵なんです。
⑤ 金は、塗るのではなく押し出されている
さらにすごいのは、この金を、シルクスクリーンという版画で立ち上げているところなんです。
どういうことか?というと、シルクスクリーンは絵の具を塗る技法ではありません。
版に開けた孔から、インクを紙の上へ押し出す技法です。
年賀状のプリントゴッコを思い出していただくと、感覚が近いと思います。
あれも、孔の開いたところだけに色が押し出される仕組みでした。
だから色は紙にしみ込まず、紙の上に一枚の面として乗ります。
これがどのくらい効くか?というと、金が隣の紺と混ざらないんです。
絵の具を筆で置けば、境目で必ず色が少し溶け合います。
ところが押し出された金は、紺の上に、金のまま着地する。
結果として、夜の中にある金だけが、濁らずに光を持ち続けます。
空に散った星の粒も同じです。
一粒ずつが、紺に沈まずに紙の表面へ浮いたまま残っている。
版画は、原画の安い代わりではありません。
作家が自分の表現を余すところなく届けるために選んだ、もうひとつの完成形です。
だからこそエディションナンバーは、基準に届いた刷りだけが世に出たという、作家自身の合格印になるんですね。
⑥ 紺と金と、ひとすくいの桃色
ここからは、色が心に何をしているのかの話です。
この絵の紺は、黒ではありません。
まだ暮れきっていない、青の残っている夜の色です。
その紺に対して、金はたった一棟ぶんしか使われていません。
面積で言えば、圧倒的に紺のほうが多い。
それなのに目が金へ行くのは、紺が金を「探させる」側に回っているからだと感じられます。
黒は影ではなく、静けさの役です。
下半分の黒い水が全部を吸い込んでくれるから、上の金が鳴りすぎない。
そして手前に、桃色の花がひとすくい置かれています。
紺と金だけなら、この絵はもっと厳かな絵になっていたはずです。
花があることで、鑑賞する人の立ち位置が、対岸ではなく「岸辺」になります。
朝、カーテンを開けた直後に見ると、この絵はまず花から目に入ります。
桃色が光を受けて、金はまだ眠っている。
夜、照明を落とすと逆転します。
花が闇に沈み、金と星の粒だけが起きている。
一日の中で、主役が二度入れ替わる絵なんですね。
音で言えば、朝は小さな鈴、夜は遠い太鼓です。
近くで見ると、星の粒の大きさがひとつずつ違うことにも気づきます。
その差が、夜空を平らな紙ではなく、奥行きのある空気に変えています。
⑦ 一階だけ、金ではない
もうひとつ、この絵を見るときの手がかりをお伝えします。
金閣は三層の建物で、一層には釈迦三尊が安置され、二層は観音殿、三層には仏舎利が納められています(出典:臨済宗相国寺派 金閣寺公式サイト)。
そして金箔が貼られているのは、二層と三層です。
一層は素木のままで、金に覆われていません。
この絵をもう一度よく見てください。
いちばん下の階だけ、白い壁と木の柱のまま描かれています。
その上の二層と三層だけが、金色に光っている。
つまりヤマガタは、建物の構造をそのまま絵に写しているわけです。
祝祭の絵の画家、という印象が強い人ですが、その足元は写生なんですね。
そして水面の金閣も、同じように一層だけ金を外して映り込んでいます。
⑧ この絵には、どんな額が合う?
ここからは、この作品にどんな額装が合うのか、私のおすすめを3パターンご紹介させていただきます。
夜を閉じる『ブラック額装』
まずは定番の、黒い額装です。
この作品に黒をおすすめする理由は、引き締めるためではありません。
閉じるためです。
この絵でいちばん深い黒は、下半分の水にあります。
そこへ黒い額を回すと、水と額の黒がつながって、画面の底が抜けたように見えてきます。
白い額でも成立しますが、それだと紺の夜が壁の白に押し返されて、夜の奥行きが浅くなってしまうんですね。
黒で外周を閉じてやると、紺はどこまでも遠くへ引いていきます。
そして金だけが、手前に残ります。
おすすめは、応接室や書斎です。
昼は窓の光で額の黒がつや消しに沈み、絵の中の紺だけが静かに立ち上がります。
夜、間接照明の下では額と水が一続きの闇になって、壁に窓が開いたように見えます。
私自身、自宅に絵を掛けてみて実感しているのは、照明を落としたときに部屋そのものの格が変わってしまうことなんです。
届いた日は、飾る場所を決めきれずに壁を変えては離れて眺め直していました。
来客がソファに腰を下ろした瞬間、会話が半拍止まる。
そのあとで「これ、どこのお寺ですか」と聞かれて、答える前に相手が水面のほうを目で追い始める。そんな組み合わせです。

三度目の金を置く『アンティークゴールド額装』
金の絵に金の額?と思われるかもしれませんが、この作品にはぜひ試していただきたい案なんです。
条件がひとつだけあります。
ぴかぴかの金ではなく、少しくすんだアンティークゴールドを選ぶことです。
新しい金を回すと、絵の中の金と勝負が始まって、楼閣の輝きが相対的に落ちます。
ところが古びた金は、光を跳ね返さずに受け止めます。
だから絵の中の金がいちばん明るい場所のまま残り、額は「その手前にある、もう少し時間の経った金」になります。
絵の中で二度咲いた金が、額でもう一度、三度目として静かに咲く。
そういう額装です。
おすすめは、家族が集まるリビングです。
朝の光では額の金がベージュに近い落ち着いた色に見え、絵の紺を明るい壁から守る縁取りとして働きます。
夜、電球色の明かりの下では額全体がほのかに温まり、部屋の中に小さな祭りの区画ができます。
金閣という題材は、家族の誰もが名前を知っている数少ない絵の題材です。
修学旅行で行ったという話が出て、行った年の話になって、気づけばその晩は一枚の絵の前で家族の年表をめくっている。そんな時間が生まれる組み合わせです。

手前の花を主役にする『ローズ額装』
3つめは、少し意外に思われるかもしれませんが、桃色の『ローズ額装』です。
この絵の主役は、もちろん金閣です。
けれど画面の手前には、桃色の花が咲いています。
面積は小さいのに、この花が消えると絵は急に儀式的になってしまう。
そこでローズの額を回すと、花の桃色が「たまたま置かれた彩り」から「もうひとつの主題」に昇格します。
鮮やかなピンクではなく、灰を含んだ淡いローズを選ぶのがポイントです。だから紺の静けさを壊さず、岸辺の温度だけを足してくれます。
おすすめは、カフェや美容室、和菓子の店の待合です。
昼は自然光で額がやわらかい桜色になり、壁の白木や漆喰となじみます。
夜は照明を受けて額の縁だけが淡く発光し、金閣が奥から浮き上がってきます。
席についたお客様が、注文したことを忘れて、しばらく水面のほうを眺めている。
運ばれてきたときに、少し背筋が伸びている。そんな時間を作ってくれる組み合わせです。

⑨ まとめ
紺の夜、金の楼閣、光を返さない黒い水、そして岸辺のひとすくいの桃色。
世界の祝祭を任され続けた画家が、自分の生まれた国のいちばん有名な夜を描いた一枚です。
金は、上で一度。
水の中で、もう一度。
朝は花の絵、夜は金の絵。
毎回、違うところで目が止まる。
それは、買った人だけが知る顔です。
この『金閣寺 ゴールデンパビリオン』は、いまはどこかで、次の持ち主を静かに待っている一枚です。
名品は、ある日ふいに、たいてい一度きり市場に現れます。
だからこそ、先に「私はこの絵を待っています」と教えておいていただくことで、当ギャラリーはその瞬間にまっ先にご連絡できます。
この作品を、あなたのためにお探しします。ご相談は無料です。しつこい営業は、いたしません。
すぐのご用意はお約束できませんが、あなたの一声があって初めて、この一枚は「あの方のための夜だ」と、探し当てることができます。
この作品を、あなたのために専属でお探しします
すぐのご用意はお約束できませんが、ご希望を伺っておくことで、市場に現れた瞬間にまっ先にご連絡できます。ご相談は無料です。額装のご相談もお気軽にお問い合わせください。
ギャラリーからのご案内
探している作品、無料でお探しします
「あの作品、まだどこかにあるだろうか」そんな作品がありましたら、お気軽にご相談ください。作家名や作品名がうろ覚えでも構いません。海外ディーラー・オークション・非公開ネットワークから、お客様だけの一点をお探しします。ご相談・調査はすべて無料。お見積もりまでで終了いただいても構いません。
よくあるご質問
この作品は本物ですか?
はい、ヒロ・ヤマガタの本物のシルクスクリーンです。お探しした個体をご案内する際は、一点ごとに直筆サインの有無・エディション番号・状態と真贋を確認したうえでお伝えします。
いますぐ購入できますか?
いいえ、本作はいま在庫がなく、当ギャラリーが専属でお探しする「お探しリクエスト」の作品です。ご希望を伺ってから国内外のネットワークでお探しし、見つかり次第、価格とともにご連絡します。数ヶ月かかることも、見つからない場合もございますが、ご相談・調査は無料です。
限定300部のうち、何番の作品が届きますか?
エディション番号は、お探しした個体によって異なります。本作は300部で刷られた作品で、番号の指定は承れませんが、確保できた時点で番号と状態をあわせて正直にお伝えします。
絵の中の金閣は、一階だけ金色ではないのですか?
はい、一層は金に覆われていません。金閣は三層の建物で、一層には釈迦三尊が安置され、二層は観音殿、三層には仏舎利が納められています(出典:臨済宗相国寺派 金閣寺公式サイト)。金箔が貼られているのは二層と三層で、本作でもいちばん下の階だけが白い壁と木の柱のまま描かれています。水面に映り込んだ金閣も、同じように一層だけ金を外して描かれています。
額装は変更できますか?
はい、額装のご相談を承っております。本記事でご紹介した3案以外でも、飾る部屋の壁色や家具に合わせてご提案いたします。お探しした個体をご案内する際に、あわせてご相談ください。
送料はかかりますか?
国内は送料無料でお届けしております。額装済みの作品を、専用の梱包でお送りします。
縦76cm×横60cmは、どんな壁に向いていますか?
縦長の中判サイズですので、玄関の正面、階段の踊り場、ソファ脇やチェストの上といった「縦に使える壁」に向いています。画寸は縦76cm×横60cmですが、マットと額縁を回すと外寸はおおよそ縦1m前後になり、壁の主役として成立する大きさです。上半分が夜空、下半分が水という構成ですので、目線よりやや高めに掛けると、水面の金閣を見下ろす形になり、奥行きが出ます。
※本記事の文章・画像の著作権は、やまアートギャラリーに帰属します。
複製、転載、流用、転売、および生成AIの学習データへの組み込みは、著作権者の許可なく一切お断りいたします(無断流用に基づく改変も同様)。
なお、AI検索エンジン等が本記事を出典として参照・引用する形での利用は、これを妨げません。

