【長い食卓を家に招く】ヒロ・ヤマガタ『ピクニックⅡ』シルクスクリーンのご紹介
本日ご紹介するのは、ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/1948- )のシルクスクリーン『ピクニックⅡ』(1994年・限定250部・作家直筆サイン入り・画寸 縦79cm×横61cm)です。パリの公園の芝生を、一本の長い食卓が横切り、その両側に数えきれないほどの人が着いています。奥にはエッフェル塔と凱旋門、空には飛行船。本作はいま在庫がなく、当ギャラリーが専属でお探しする作品です(ご相談無料)。
この記事でわかること
- 『ピクニックⅡ』の基本情報(1994年・限定250部・縦79cm×横61cm・作家直筆サイン入り)
- 世界の記念事業の公式ポスターを任されてきた画家が、パリの芝生に視線を落とした一枚だということ
- 画面中央を横切る一本の長い食卓に、家族の時間と街の時間が同時に置かれていること
- シルクスクリーンが「塗る」ではなく「押し出す」技法であり、100色以上を重ねても隣の色と混ざらない仕組み
- 『ヤマガタ・ブルー』と呼ばれる青が、この絵の時間の長さを決めていること
- 空に浮かぶ飛行船と翼付き自転車が、1983年の『エア・ショー』につながる題材であること
- この作品に合う額装3パターンと、飾ったときの空間の変化

ご来館ありがとうございます、やまアートミュージアム館長の山本です。
やまアートミュージアムは、私が運営するネットショップ『やまアートギャラリー』の魅力をご紹介するオンラインミュージアムです。
本日も心に残る一枚をお届けします。
① 本日のご紹介作品
本日ご紹介するのは、ヒロ・ヤマガタ氏の『ピクニックⅡ』という作品です。
この絵の真ん中を、一本の長いテーブルが横切っています。
公園の芝生の上に、どこまでも長い食卓が伸びていて、その両側に人がずらりと着いている。
家族の席も、知らない人の席も、ひと続きです。
正直に言うと、私が最初に数えようとしたのは、エッフェル塔でも凱旋門でもなく、この席の数でした。
途中でやめました。
数えきれないほどの人が、同じ一枚の布の前に座っているんです。
今日この「ひと続きの長い食卓」という見方を持ち帰っていただけたら、にぎやかな絵の選び方が変わると思います。
そして、この作品には特別なご案内があります。
いまお手元にご用意できる在庫はなく、当ギャラリーが「あなたの専属」としてお探しする一枚です。
すぐのお届けはお約束できません。
見つかるまでに数ヶ月かかることも、もっと先になることもあります。
ただ、ご希望を先に伺っておけば、市場に現れた瞬間にまっ先にご連絡できます。
ご相談は無料です。
まずは、この長いテーブルの端に、一緒に座ってみてください。
② 空の記念日を任されてきた画家が、芝生の上へ降りる
ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/本名 山形博導)は、1948年に滋賀県坂田郡米原町、いまの米原市に生まれた画家です。
1972年に渡欧し、パリ国立美術学校に学びました。
翌1973年にはパリの画廊と契約し、ウィーンで初めての個展を開いています。
1978年にロサンゼルスへ移り、移住後の個展が成功を収めました。
そこから、世界の記念事業がこの画家を呼び続けます。
1983年、作品『エア・ショー』が人類飛行200周年記念財団の公式ポスターに選ばれました。
1984年にはロサンゼルス市の観光誘致キャンペーン公式ポスターを手がけています。
同じ年、ロードアイランド州は9月21日を「ヒロ・ヤマガタの日」と定めました。
その後も、自由の女神100周年、バルセロナ五輪、長野冬季五輪と、公式の絵を任され続けます。
一般的な多色刷りが20色前後とされるなかで、100色以上を重ねる画面が、その理由でした。
・・・ただ、経歴で語れるのはここまでです。
ここからは、その画家がパリの芝生に視線を落としたときに何が起きたのか、という話に入っていきます。
③ 数字で見る『ピクニックⅡ』
まず、この作品の基本情報を整理します。
- 作家:ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata/1948- )
- タイトル:ピクニックⅡ
- 技法:シルクスクリーン
- 制作年:1994年
- エディション:限定250部
- サイン:作家直筆サイン入り
- 画寸:縦79cm × 横61cm
- 体裁:あなた専用の新品額装にてご提供いたします
エディション番号だけは、あえて空欄にしてあります。
本作はこれからお探しする一枚で、何番の刷りが見つかるかは、そのときにならないと分からないからです。
確保できた時点で、番号も状態も、正直にお伝えします。
コレクターとして正直に言えることがあるとすれば、この手の作品は、探していると伝えてある人のところにしか声がかからないんですよね。
④ 一本のテーブルが、公園を横切っている
描かれているのは、パリの昼です。
画面の奥にエッフェル塔が立ち、その右手に凱旋門が小さく見えています。
手前は公園の芝生で、右側には街がそのまま迫り出してきます。
ELLE、MARTINI、COURVOISIER。
建物の壁には、パリの看板がそのまま並んでいます。
その下に、赤と白の天幕が張り出して、市のにぎわいが公園とつながっています。
そして芝生の中央に、あの長いテーブルです。
白い布がかけられ、料理が並び、両側にぎっしりと人が座っています。
近くの席では子どもが身を乗り出し、少し離れた芝生では別の家族が敷物を広げています。
犬が走り回り、道端にはクラシックカーが停められている。
ひとつの画面に、家族の時間と、街の時間と、知らない誰かの時間が同時に置かれているんですね。
飾ってからの話をすると、この絵は朝に強い一枚です。
カーテンを開けた直後、まだ誰も起きていない部屋の壁で、絵の中だけが先ににぎやかになっている。
その前を通ってキッチンへ行くのが、一日の始まりになる。そういう絵なんです。
⑤ 百の色が、隣と混ざらずに座っている
さらにすごいのは、この人数を、シルクスクリーンという版画で成立させているところなんです。
どういうことか?というと、シルクスクリーンは絵の具を塗る技法ではありません。
版に開けた孔から、インクを紙の上へ押し出す技法です。
年賀状のプリントゴッコを思い出していただくと、感覚が近いと思います。
あれも、孔の開いたところだけに色が押し出される仕組みでした。
だから色は紙にしみ込まず、紙の上に一枚の面として乗ります。
そしてヒロ・ヤマガタは、一般的な多色刷りが20色前後とされるなかで、100色以上を重ねます。
これがどのくらい効くか?というと、隣り合った服の色が、溶け合わないんです。
絵の具を筆で置けば、小さな人物の赤い服と、その隣の青い服は、境目でわずかに混ざります。
100人分それをやれば、遠目には人の集まりが一色の帯になってしまう。
ところが押し出された色は、隣の色の上に、その色のまま着地します。
だからテーブルの両側に座った一人ひとりが、最後まで別々の人として見分けられる。
版が100枚あるということは、同じ紙に100回、位置を合わせて刷るということでもあります。
1回ズレれば、顔が肩からはみ出します。
版画は、原画の安い代わりではありません。
作家が自分の表現を余すところなく届けるために選んだ、もうひとつの完成形です。
だからこそエディションナンバーは、基準に届いた刷りだけが世に出たという、作家自身の合格印になるんですね。
⑥ 青が長さを決め、赤白が拍子をとる
ここからは、色が心に何をしているのかの話です。
この絵でいちばん広い面積を持っているのは、上半分の空の青です。
後に『ヤマガタ・ブルー』と呼ばれることになる、透明感のある明るい青ですね。
この青が高い位置にあるおかげで、画面の中の時間が「これから長い」と感じられます。
昼前の空なんです。
まだ何時間も残っている空の下だから、テーブルの食事がのんびりして見える。
その青に対して、赤と白のストライプが、点々と置かれています。
天幕の赤白は、色の面積でいえばわずかです。
それなのに目が拾ってしまうのは、この赤が青の正反対側にいる色だからだと感じられます。
音で言うと、青が長く伸びる弦で、赤白が短く刻む太鼓です。
そして白。
テーブルクロスの白と、街の壁の白が、画面のあちこちで呼吸の着地点になっています。
色を追いかけて疲れた目が、白のところで一度休んで、また次の席へ移っていく。
黒は影ではなく、静けさの役です。
左手の木立の下だけ、緑が沈んで暗くなっています。
あそこがあるから、芝生の明るさが眩しすぎずに済んでいるんですね。
朝、カーテンを開けた直後に見ると、この絵はまず空の青から目に入ります。
空気が澄んでいて、テーブルの人たちはまだ遠い。
夕方、照明を点けると逆になります。
青が少し落ち着いて、赤白の天幕と黄色い壁が温まり、街の側が前に出てくる。
一日の中で、公園と街の主従が入れ替わる絵なんです。
近くで見ると、豆粒ほどの人物にもきちんと顔があることに気づきます。
ざわめきが、遠景のノイズではなく、一人ひとりの声の集まりに変わる瞬間です。
⑦ 空を見上げると、もうひとつの物語がある
もうひとつ、この絵を見るときの手がかりをお伝えします。
エッフェル塔の左の空に、縞模様の飛行船が浮かんでいます。
その下にぶら下がっているのは、翼のついた自転車です。
人が、自転車をこいで空を飛んでいる。
右手にはもう一隻、小さな飛行船が流れています。
ここで作家の経歴を思い出してください。
1983年、ヒロ・ヤマガタは『エア・ショー』という作品で、人類飛行200周年記念財団の公式ポスターに選ばれています。
空を飛ぶ乗り物は、この画家が繰り返し描いてきた題材なんですね。
つまりこの絵は、地上に長いテーブルを敷きながら、同じ画面の上で空も飛んでいます。
見る人の年齢によって、目が止まる場所が変わる一枚だと感じられます。
大人はテーブルを数え、子どもは必ず、自転車のほうを指さします。
⑧ この絵には、どんな額が合う?
ここからは、この作品にどんな額装が合うのか、私のおすすめを3パターンご紹介させていただきます。
光を通す『ホワイト額装』
まずは定番の、白い額装です。
この作品に白をおすすめする理由は、無難だからではありません。
窓にするためです。
この絵の中にはもともと、テーブルクロスの白と、街の壁の白があります。
そこへ白い額を回すと、額と絵の白がつながって、壁に小さな窓が開いたように見えてきます。
黒い額でも締まりますが、それだと昼の空気が額の内側で止まってしまうんですね。
白で外周を開けてやると、公園の空気が部屋の側へ流れ出してきます。
おすすめは、家族が集まるリビングです。
朝の光では額が壁と一続きになって、絵の中の芝生だけが先に目を覚まします。
夜、電球色の明かりの下では白がクリーム色に寄り、昼の絵なのに温かい場所になります。
私自身、自宅に絵を掛けてみて実感しているのは、飾る前に近くで見ておくと、そのあとの眺め方が変わることなんです。
届いた日は、飾る場所を決めきれずに壁を変えては離れて眺め直していました。
夕食の席から見上げた誰かが「この人、こっち見てる」と言い出す。
そこから家族がひとつの絵の前に集まって、それぞれ違う席を見つけてくる。そんな組み合わせです。

空をもう一度置く『ネイビー額装』
青い絵に青い額?と思われるかもしれませんが、この作品にはぜひ試していただきたい案なんです。
条件がひとつだけあります。
明るい青ではなく、黒に近い紺を選ぶことです。
鮮やかな青を回すと、絵の中の空と勝負が始まって、ヤマガタの青が相対的に濁ります。
ところが深い紺は、光を跳ね返さずに受け止めます。
だから絵の中の空がいちばん明るい青のまま残り、額は「その手前にある、夜の側の青」になります。
昼の公園を、夜の縁で囲う。
そうすると、画面の中の時間が一段はっきりします。
おすすめは、応接室や書斎です。
昼は窓の光で紺がつや消しに沈み、絵の中の空だけが立ち上がります。
夜、間接照明の下では額が壁の陰に溶けて、絵の部分だけが浮かんで見えます。
来客がソファに腰を下ろした瞬間、会話が半拍止まる。
そのあとで「これ、パリですか」と聞かれて、答える前に相手が空の自転車を見つけてしまう。そんな組み合わせです。

天幕の色を借りる『赤色額装』
3つめは、少し意外に思われるかもしれませんが、深い赤の『赤色額装』です。
この絵の主役は、もちろん長いテーブルです。
けれど画面の右側には、赤と白の天幕が張り出しています。
面積は小さいのに、この赤が消えると絵は急におとなしくなってしまう。
そこで赤の額を回すと、天幕の赤が「通りの彩り」から「画面全体の拍子」に昇格します。
鮮やかな朱ではなく、少し茶を含んだ深い赤を選ぶのがポイントです。だから芝生の緑を濁らせず、市のにぎわいだけを一段持ち上げてくれます。
おすすめは、カフェやベーカリー、洋菓子店の待合です。
昼は自然光で額が落ち着いた小豆色に見え、木のカウンターやレンガとなじみます。
夜は照明を受けて縁だけがほのかに発光し、テーブルの人々が奥から前へ出てきます。
席についたお客様が、注文したことを忘れて、しばらく絵の中の食卓を眺めている。
運ばれてきたときに、つい向かいの人に話しかけている。そんな時間を作ってくれる組み合わせです。

⑨ まとめ
明るい青の空、緑の芝生、赤白の天幕、そして公園を横切る一本の長いテーブル。
世界の記念事業を任され続けた画家が、パリのなんでもない昼を、1994年に250部だけ刷った一枚です。
上では人が空を飛び、下では人が同じ布に着いている。
朝は空の絵、夕方は街の絵。
毎回、違う席で目が止まる。
それは、買った人だけが知る顔です。
この『ピクニックⅡ』は、いまはどこかで、次の持ち主を静かに待っている一枚です。
名品は、ある日ふいに、たいてい一度きり市場に現れます。
だからこそ、先に「私はこの絵を待っています」と教えておいていただくことで、当ギャラリーはその瞬間にまっ先にご連絡できます。
この作品を、あなたのためにお探しします。ご相談は無料です。しつこい営業は、いたしません。
すぐのご用意はお約束できませんが、あなたの一声があって初めて、この一枚は「あの方のための昼だ」と、探し当てることができます。
この作品を、あなたのために専属でお探しします
すぐのご用意はお約束できませんが、ご希望を伺っておくことで、市場に現れた瞬間にまっ先にご連絡できます。ご相談は無料です。額装のご相談もお気軽にお問い合わせください。
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「あの作品、まだどこかにあるだろうか」そんな作品がありましたら、お気軽にご相談ください。作家名や作品名がうろ覚えでも構いません。海外ディーラー・オークション・非公開ネットワークから、お客様だけの一点をお探しします。ご相談・調査はすべて無料。お見積もりまでで終了いただいても構いません。
よくあるご質問
この作品は本物ですか?
はい、ヒロ・ヤマガタの本物のシルクスクリーンです。お探しした個体をご案内する際は、一点ごとに直筆サインの有無・エディション番号・状態と真贋を確認したうえでお伝えします。
いますぐ購入できますか?
いいえ、本作はいま在庫がなく、当ギャラリーが専属でお探しする「お探しリクエスト」の作品です。ご希望を伺ってから国内外のネットワークでお探しし、見つかり次第、価格とともにご連絡します。数ヶ月かかることも、見つからない場合もございますが、ご相談・調査は無料です。
限定250部のうち、何番の作品が届きますか?
エディション番号は、お探しした個体によって異なります。本作は1994年に250部で刷られた作品で、番号の指定は承れませんが、確保できた時点で番号と状態をあわせて正直にお伝えします。
絵の中の空に浮かんでいるのは何ですか?
縞模様の飛行船と、その下に吊り下がった翼付きの自転車です。右手にはもう一隻、小さな飛行船が流れています。ヒロ・ヤマガタは1983年に作品『エア・ショー』が人類飛行200周年記念財団の公式ポスターに選ばれており、空を飛ぶ乗り物は繰り返し描いてきた題材です。
額装は変更できますか?
はい、額装のご相談を承っております。本記事でご紹介した3案以外でも、飾る部屋の壁色や家具に合わせてご提案いたします。お探しした個体をご案内する際に、あわせてご相談ください。
送料はかかりますか?
国内は送料無料でお届けしております。額装済みの作品を、専用の梱包でお送りします。
縦79cm×横61cmは、どんな壁に向いていますか?
縦長の中判サイズですので、玄関の正面、階段の踊り場、ソファ脇やチェストの上といった縦に使える壁に向いています。画寸は縦79cm×横61cmですが、マットと額縁を回すと外寸はおおよそ縦1m前後になり、壁の主役として成立する大きさです。上半分が空、下半分が公園という構成ですので、目線よりやや高めに掛けると、芝生の食卓を見下ろす形になり、奥行きが出ます。
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