【青の余白が部屋を整える】トレンツ・リャド『ヴィラヴェルディ(彫刻のある庭)』シルクスクリーンのご紹介

ご来館ありがとうございます、やまアートミュージアム館長の山本です。

やまアートミュージアムは、私が運営するネットショップ『やまアートギャラリー』の魅力をご紹介するオンラインミュージアムです。

本日も心に残る一枚をお届けします。

この記事でわかること

  • 『現代の印象派』『光の収集家』と呼ばれたトレンツ・リャドが、マジョルカ島の庭から描いた一枚の背景
  • 本人直筆サインを残せたわずか3年間の中で生まれた1991年制作の希少性
  • シルクスクリーンの色を重ねる工程と、71cm四方に折り畳まれた『青の奥行き』
  • 朝・昼・夜で表情を変える『青の余白』と一日の暮らしの変化
  • 自宅リビング/書斎・応接室/カフェの3空間に合わせた額装3案

トレンツ・リャド『ヴィラヴェルディ(彫刻のある庭)』の全体像

① 本日のご紹介作品

本日ご紹介する作品は、J. トレンツ・リャド氏の『ヴィラヴェルディ(彫刻のある庭)』という作品です。

絵の前に立つと、まず呼吸が一度沈みます。

青の余白が、画面いっぱいに深く広がっています。

その懐から、白や赤、緑の花が、そっと息を吹き返してくる感覚があるんです。

正直に言うと、初めてこの絵を見たとき、しばらく目が離せなかったんです。

『ただの花の絵』ではない、もっと奥の方で何かが鳴っている。

そんな第一印象でした。

今日この作品を知ったら、ご自宅の壁の見え方が、少し変わると思います。

『色』を飾るのではなく、『青の余白』を飾るとはどういうことなのか?

その感覚を、ぜひ最後までご一緒させてください。

この作品はトレンツ・リャドのシルクスクリーンを取り扱う、ネットショップ『やまアートギャラリー』で取り扱い中です。

URLは概要欄に貼っていますので、気になった方はぜひ覗いてみてください。

② 光の収集家、リャドという画家

J. トレンツ・リャドは、1946年スペイン・カタルーニャ生まれの画家です。

『現代の印象派』、『ベラスケスの再来』、そして『光の収集家』。

3つの異名を同時に持つ、というのはちょっと普通ではありません。

リャドは古典の肖像画と現代の風景画、二つの相反する世界を、同じ一人の画家が両立させた、非常に稀有な人なんです。

そんなリャドが、1968年からアトリエを構えた場所が、地中海に浮かぶマジョルカ島でした。

実は、モネがマジョルカ島で絵を描いていた事実に惹かれて、リャド自身もこの島を選んだと言われています。

『光の収集家』としてのリャドが、その光の旅の中で見つけた庭の一枚。

それが、本日ご紹介する『ヴィラヴェルディ』です。

③ 数字で見る『ヴィラヴェルディ』

数字で押さえておきたいポイントを、簡潔にお伝えします。

  • 作家:J. トレンツ・リャド
  • 制作年:1991年
  • 技法:シルクスクリーン
  • サイズ:71cm × 71cm(正方形)
  • エディション:世界限定250部
  • 付属:本人直筆サイン/エンボススタンプ/真作証明書

ここで一つ、希少性の話をさせてください。

1990年に日本で初の個展を開いたリャドが、そこから3年後の1993年に47歳で逝去されているんです。

つまり、リャドが本人の手で直筆サインを残せた期間は、わずか3年ほどしかありません。

その3年の中の、1991年の一枚。

コレクターとして正直に言えることがあるとすれば、この手の作品は迷った時点で負けなんですよね。

・・・ただ、数字で語れるのはここまで。

ここからは、この絵がどんな場所から生まれたのか?

その『青の温度』の話に迫っていきたいと思います。

④ マジョルカ島の庭から生まれた青

リャドが描いた庭園作品は、ジヴェルニー、アルハンブラ、ヴェネチア、そしてマジョルカのアルファビア庭園など、世界の名園に通じています。

本作の『ヴィラヴェルディ』はイタリア語で『緑の館』を意味します。

副題に『彫刻のある庭』とあるように、地中海の太陽の下で、彫刻と植物が静かに同居する庭の風景です。

ただ、リャドが描いた庭は、決して観光案内的な風景ではありません。

『そこに立ったときに、自分の中で何が静まるか』、その感覚の方を画面に残しているように感じられます。

朝、コーヒーを淹れて、ふと壁を見たとき。

地中海の朝の空気が、リビングに立ち上がる。

夜、照明を落とすと、青がさらに深く沈み、花だけが小さく息をしている。

『絵を飾る』のではなく、『朝と夜の温度を、一枚壁に貼る』。

リャドの作品をお迎えになった方が口を揃えて言うのは、そういう種類の体験なんです。

⑤ 一色ずつ降ろされる、71cmの奥行き

さらにすごいのは、『青の余白』の奥行きを、誰にでも伝わる形に作ってあるところなんです。

シルクスクリーンというのは、1回の作業で1色しか刷れない技法です。

青を刷って、乾かして、緑を刷って、また乾かして、赤を刷って、白を刷っていく。

ハンコを、1ミリもズレずに、何十回と押し重ねていく作業を想像してみてください。

1回でもズレたら台無し。

それを何度も繰り返して、ようやく1枚が立ち上がります。

リャドの版画は、原画にどこまで近づけるかを目的に、最新の版画技法で作られてきました。

だから画面の奥に、『青の層』ができるんです。

奥に深い青、その上にやや明るい青、さらに上に光を抱えた青。

一見すると平らに見える71cm四方の中に、版を重ねた回数分の奥行きが折り畳まれています。

これがどのくらいすごいか?というと、近づいて見たときに『絵が呼吸している』ように感じられる距離が、必ず存在するということです。

その距離は、買って自宅に飾った人にしか見つけられません。

・・・と、ここまでで『青の余白』がただの背景ではなく、何層もの版が降ろされた『奥行き』であることが、お分かりいただけたかと思います。

この『奥行き』が、暮らしの中で何を起こすのか?

ここからは色の話、つまり一日の中で『青の余白』がどう動くかの話に移ります。

⑥ 朝は深呼吸、夜は囁き

『ヴィラヴェルディ』の青は、一日の中で表情を変えます。

朝、自然光が部屋に入ってくる時間帯。

青は少し軽くなって、画面下の白い花が、ふわっと前に出てきます。

部屋に入った瞬間、まず深呼吸が一つ生まれる。

そんな絵なんです。

昼、光が一番強い時間帯。

青の層がいくつもあることが分かり始めて、奥にある花の赤がきゅっと締まります。

『色を聴ける一枚』というのが、近い表現かもしれません。

夜、間接照明を一段落としたとき。

青はさらに深く沈んで、白い花だけが、囁くように小さく光ります。

『静けさ』が壁に貼ってある、と言ってもいい状態です。

色を意味で語ると『青=静寂』『緑=生命』『白=清潔』のような図式になりがちですが、リャドの庭はそうではありません。

朝は深呼吸、昼は会話、夜は囁き。

一日の中に、小さな季節が生まれる絵なんです。

ザラついた青の質感に、指でそっと触れたくなる瞬間がある。

ドキッとしますよね、あの感覚です。

⑧ この絵にはどんな額が合う?

ここからはこの作品にどんな額装が合うのか?

私のおすすめを3パターンご紹介させていただきます。

光を含ませる『オフホワイト額装』

まず1案目は、ご自宅のリビング向けの定番、オフホワイトの額装です。

『青の余白』を、白の余白で迎えてあげる組み合わせ。

額縁とマットの両方をオフホワイトでまとめると、絵の青がいきなり主張するのではなく、壁から少し離れた『静かな窓』のように見えてきます。

朝、白い陽が部屋に入ってきたとき、額縁の白と作品の青がそっと混ざり合って、リビング全体の空気が一段澄んだ感じになります。

夜、間接照明を落とすと、額縁の白が控えめに沈んで、青の奥行きだけが浮かび上がる。

朝、コーヒーを淹れにキッチンへ向かう途中、ふと壁を見て足を止める。

家族が『今日も静かでいい朝だね』と一言だけ言う。

そういう絵になります。

実は私自身、定番の額装はあえて主張させないことが多いんです。

絵が一番気持ちよく呼吸できる状態を、最初に作ってあげたい。

そう考えると、オフホワイトに落ち着きます。

『オフホワイト額装』×自宅リビング設置イメージ

庭の声を伸ばす『フォレストグリーン額装』

2案目は、変化球の1つ、フォレストグリーンの額装です。

『青い絵に深い緑の額?』と思うかもしれませんが、画面の中の小さな緑、つまり茎や葉を、額縁の側がそっと拾い上げて伸ばしてくれる組み合わせなんです。

おすすめの空間は、庭が見える書斎、もしくは少し格式のある応接室。

午後、窓越しに庭の緑が部屋に入ってくる時間帯。

額縁のフォレストグリーンが庭側の緑と呼応して、壁の絵と窓の外がひとつの景色に繋がります。

夜、書斎の手元灯だけを点けたとき、額縁の緑が暗がりに溶けて、青の余白だけが浮かび上がる。

書斎で読書をしているとき、ページから目を上げた瞬間に『庭の延長線上に絵がある』ように感じられます。

来客の方が応接室に入って、『この絵、どこの庭ですか?』と尋ねてくる。

そこから自然に、マジョルカ島とリャドの話が始まる。

そんな会話が生まれる一枚になります。

『フォレストグリーン額装』×書斎・応接室設置イメージ

青の深さに金を添える『アンティークゴールド額装』

3案目はもう一つの変化球、アンティークゴールドの額装です。

カフェ、ホテルのラウンジ、レストランの個室。

そうした商業空間で『この一枚が空気を作っている』状態を狙うときに、最も力を発揮します。

ゴールドというと派手なイメージがあるかもしれませんが、アンティークゴールドは燻んだ古典金。

主張しすぎず、けれど『価値あるものがそこにある』という気配だけが残る色です。

朝、カフェの窓から朝陽が差し込むと、燻んだ金がほのかに反射して、青の深さがより一段深く見えます。

夜、間接照明だけの空間では、金縁が背景に沈み、青の余白の方が会話の中心になる。

オーナーの方が常連客に、『あれはリャドの1991年のシルクスクリーンで』と語り始めるとき。

その絵が、店の格をひとつ上げてくれます。

『ヴィラヴェルディ』という名前は、お店のコンセプトにもそのまま使える奥行きを持っています。

『アンティークゴールド額装』×カフェ・商業空間設置イメージ

⑨ まとめ

ここまで、『ヴィラヴェルディ(彫刻のある庭)』をご紹介してきました。

青の余白が、部屋を整える。

そう書くと少し詩的に聞こえるかもしれませんが、実際に飾ってみると、朝に深呼吸し、夜に囁きを返してくれる。

そんな日常の手応えとして、確かに残ります。

それは、買った人だけが知る顔です。

世界に250部、そのうちリャド本人の直筆サインが残せたのは、わずか3年ほどの間に生まれた作品のみ。

失われたら二度と手に入らないかもしれない一枚との出会いを、確かな体験に変えてください。

この作品の詳細・ご購入はこちらから

やまアートギャラリーで見る

作品のご不明点や額装のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

よくあるご質問

この作品は本物ですか?

はい、J. トレンツ・リャド本人による直筆サイン入りの真作です。エンボススタンプおよび真作証明書が付属しており、当ギャラリーで状態を確認のうえお届けいたします。やまアートギャラリーでは、海外ディーラー・オークション・コレクター直の仕入れルートから状態の確かな1枚のみを厳選しております。

額装は変更できますか?

はい、額装のご相談を承っております。本記事でご紹介したオフホワイト/フォレストグリーン/アンティークゴールド以外にも、お部屋の壁色・家具・光環境に合わせたご提案が可能です。お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

送料はかかりますか?

5,000円以上のお買い上げで送料無料にてお届けしております。本作品は配送時の安全のため、専門の梱包資材を用いて発送いたします。

シルクスクリーンと原画ではどう違いますか?

シルクスクリーンは1色ずつ版を重ねていく版画技法で、原画の色彩や質感を高い精度で再現できます。リャドの版画は『原画にどこまで近づけるか』を目的に制作されており、近づいて見ると何層もの色の重なりによる『奥行き』が感じられます。本作は世界限定250部のうちの一枚で、リャド本人による直筆サインが入っています。

『ヴィラヴェルディ(彫刻のある庭)』という副題は何を意味しますか?

『ヴィラヴェルディ』はイタリア語で『緑の館』を意味します。副題の『彫刻のある庭』が示すように、地中海の太陽の下で、彫刻と植物が静かに同居する庭の風景がモチーフです。リャドが描いた庭園作品は、ジヴェルニー、アルハンブラ、ヴェネチア、マジョルカのアルファビアなど、世界の名園に通じる『光と水のシリーズ』に連なります。