【雨音が部屋を静める】ヒロ・ヤマガタ『レイニーデイ』シルクスクリーンのご紹介
ご来館ありがとうございます、やまアートミュージアム館長の山本です。
やまアートミュージアムは、私が運営するネットショップ『やまアートギャラリー』の魅力をご紹介するオンラインミュージアムです。
本日も心に残る一枚をお届けします。
この記事でわかること
- ヒロ・ヤマガタ5大作品の1つ『レイニーデイ』の事実情報と希少性
- 100色の色彩の画家が、あえて色を手放してモノクロームで描いた理由
- 色を引き算するシルクスクリーンが生む、霧雨のパリの静けさ
- 書斎・応接室・カフェ、3つの空間に向けた額装提案

本日のご紹介作品
本日ご紹介する作品は、ヒロ・ヤマガタ氏の『レイニーデイ』という作品です。
雨に煙るパリの街並みを見ていると、不思議と部屋の音が一段引いていくような感覚になるんですよね。
エッフェル塔が霧の向こうにそっと沈んで、街全体が雨音の中で静かに息をしている。
正直に言うと、初めてこの絵を見たとき、私は思わず声のトーンを落としていました。
色で世界を鳴らしてきたあの画家が、ここではあえて色を手放している。その静けさに、こちらの呼吸まで引き込まれたんです。
今日この作品を知っていただけたら、絵が部屋の『音量』そのものを変えてくれるという感覚を、体感していただけると思います。
この作品は世界の人気アーティストの作品が集まるネットショップ『やまアートギャラリー』で取り扱い中です。
商品ページのURLは記事内のリンクからご覧いただけます。
100色を操る男が、色を置いた日
ヒロ・ヤマガタ氏は、1948年に滋賀県米原市で生まれた、日本を代表する世界的アーティストです。
1972年にパリへ渡り、1978年にはロサンゼルスへ拠点を移しました。
そこで確立したのが、シルクスクリーンに100色以上の色を散りばめる、あの鮮烈な多色の作風なんですね。
『ヤマガタ・ブルー』という言葉が生まれるほど、彼の名は『色彩の魔術師』として世界に知れ渡りました。
・・・ただ、本日ご紹介する『レイニーデイ』は、その彼が色をぐっと抑えて描いた、少し特別な一枚なんです。
数字で見る『レイニーデイ』
まずは事実情報からご覧いただきます。
- 作家:ヒロ・ヤマガタ(山形博導)
- タイトル:レイニーデイ(Rainy Day)
- 技法:シルクスクリーン
- サイズ:縦74cm × 横92cm
- エディション:38/295
- 制作年:1986年
- 体験:作品下部に直筆サイン・シリアルナンバー入り、新品額装でご提供
この『レイニーデイ』は、ヒロ・ヤマガタの5大作品の1つに数えられる、初期の代表的な版画作品です。
コレクターとして正直に言えることがあるとすれば、その作家を象徴する数点の中に入る一枚は、後から振り返ったときに別格の重みを持つんですよね。
・・・ただ、数字で語れるのはここまで。
ここからは、この絵がなぜこれほど静かなのか、その『静けさ』の正体に迫っていきたいと思います。
霧雨のパリに沈めた静けさ
この絵が描いているのは、小雨の降るパリの街並みです。
霧に包まれたエッフェル塔が遠くに立ち、石畳の通りを、傘をさした人々がゆっくりと歩いていく。
派手なドラマは何もありません。
けれど、その『何も起こらなさ』こそが、この絵の主役なんですね。
100色で世界を彩ってきたヒロ・ヤマガタが、ここではセピアと灰色だけで、雨の日の空気をすくい取っています。
雨が街の音と色をそっと拭い取って、静けさとほのかな郷愁だけが残る。
その穏やかなユーモアと静寂が、5大作品の中でも『異色の名品』として高く評価されてきた理由だと感じています。
朝、コーヒーを淹れてふと壁を見たとき、雨上がりのパリの匂いが部屋にひとつ立ち上がる。
そういう絵なんです。
色を引き算するシルクスクリーン
さらにすごいのは、その『静けさ』を、引き算でつくり出しているところなんです。
これがどのくらいすごいか?というと、彼の代名詞は100色を積み上げる足し算の技法なんですね。
シルクスクリーンというのは、色ごとに版を分けて、一枚の紙に何度も色を刷り重ねていく手法です。
普段は100回近くその作業を重ねて、画面を鳴らすように仕上げていきます。
ところが本作では、その同じ精緻な技を、セピアと灰色の微妙な濃淡だけに振り向けている。
刷り重ねるたびに色を足すのではなく、霧の一枚、雨の一枚と、空気の層を重ねているんです。
だから遠くのエッフェル塔は溶けるようにかすみ、手前の石畳だけが濡れて光る。
止まった絵なのに、画面の奥から雨がゆっくり近づいてくるように見えるのは、そのためなんですよね。
セピアが奏でる雨の温度
色彩の話に入ります。
この作品は、色がない絵ではなく、色を一音だけに絞った絵だと感じています。
朝の光で見ると、セピアが乳白色に溶けて、街全体がやわらかい霧に包まれます。
夕方、照明を一段落とすと、灰色が深く沈んで、濡れた石畳のあたりがほのかに銀色に浮かび上がってドキッとするんです。
画面に置かれた黒は、影というより雨雲の重さです。
色たちが静かに沈んでいるのに画面がさびしくならないのは、この黒が一拍の錨として効いているからなんですね。
セピアは温度をもっていて、指先で触れたら、雨に濡れた石畳のひんやりした感触が返ってきそうな気さえします。
絵を眺めていると、降りしきる雨の音を『聴く』時間が、この一枚の前では自然に流れていきます。
5大作品という座標
『レイニーデイ』の立ち位置を、もう少し補足させてください。
ヒロ・ヤマガタの5大作品とは、『Perrier』『The Thief』『Snow Castle』『Outdoor Concert』、そしてこの『レイニーデイ』を指すと言われています。
その多くが色彩の華やぎを湛えるなかで、『レイニーデイ』だけが静けさとセンチメンタルで選ばれている。
つまり本作は、色彩の画家ヒロ・ヤマガタの『もう一つの才能』を証明する一枚なんですね。
賑やかさの中に置かれた一つの沈黙だからこそ、より深く心に残るのだと思います。
この絵にはどんな額が合う?
ここからは、この作品にどんな額装が合うのか?
私のおすすめを3パターンご紹介させていただきます。
余白を澄ませる『オフホワイト額装』
定番の組み合わせです。
書斎や、雨の日に一人で静かに過ごす空間を想定しています。
オフホワイトの広めの余白を、白に近い細枠でそっと囲みます。
壁にかかると、セピアの霧がそのまま余白へにじみ出ていくような、奥行きが生まれるんですね。
雨の朝、机に向かう前にふと顔を上げた瞬間、画面の静けさが部屋の空気とひとつになる。
その日の頭の中の雑音が、すっと一段下がっていきます。

雨の銀を映す『シルバー額装』
応接室やリビング向けの提案です。
セピアの絵に銀色の額?と意外に思うかもしれませんが、モノクロームの絵ほど、額のひと色が『雨の質感』を引き立てるんです。
しっとりとした銀の枠が、濡れた石畳の光をそっと拾い上げ、画面の奥の霧まで上品に締めてくれます。
来客がソファに腰を下ろした瞬間、視線が自然と絵に向かい、誰かが『これ、パリですよね』とつぶやく。
そんな会話が、いつもの応接の時間に一段落ち着いた温度を加えてくれるのを、私は何度か経験しています。

街の温もりを添える『ウォルナット額装』
最後は、商業空間向けの提案です。
小さなカフェや、本とコーヒーのある静かな店内を想定しています。
深い色味のウォルナットの木枠が、絵の周りにパリの古い街並みの空気感を一段添えてくれます。
白壁に掛けると、セピアの濃淡が木のテーブルや床と呼応し、雨の日の窓辺の光と一緒に空間へ溶け込みます。
雨の午後、窓際の席のお客様が『あの絵、落ち着きますね』と店主に声をかける瞬間が、お店の一日の小さな物語の入口になります。

まとめ
ここまで『レイニーデイ』をご紹介してきました。
雨音が、街の色を静める。
100色で世界を鳴らしたヒロ・ヤマガタが、あえて色を手放して描いた、静けさとセンチメンタルの一枚です。
それは、買った人だけが知る顔です。
5大作品の1つという機会は、待っていれば次に巡ってくるものではありません。
エディション295部、しかも初期の代表作という一枚を、ご自身の壁の上の確かな体験に変えてください。
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よくあるご質問
この作品は本物ですか?
はい、作品下部に作家直筆サイン・シリアルナンバーが入った本物です。エディション38/295の正規の版画で、海外正規ルートで仕入れた作品です。安心してお迎えいただける状態でお届けします。
額装は変更できますか?
はい、額装のご相談を承っております。本記事の3案以外にも、お部屋の壁色や家具に合わせたご提案が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
送料はかかりますか?
当店規定の配送方法でお届けいたします。詳細は商品ページの配送ポリシーをご確認ください。
エディション番号で価値は変わりますか?
限定295部のうちの1枚という希少性が本質的な価値であり、番号そのものが価格を大きく左右するわけではありません。本作はヒロ・ヤマガタ5大作品の1つに数えられる初期の代表作であり、エディション版画として確かな存在感を持つ一枚です。
なぜ色数の少ないモノクロームの作品なのですか?
ヒロ・ヤマガタは100色以上を刷り重ねる鮮烈な多色作風で知られますが、『レイニーデイ』はあえて色を抑え、セピアと灰色の濃淡で霧雨のパリを描いた異色の名品です。色彩の画家の『もう一つの才能』を映す作品として、5大作品の1つに数えられ高く評価されています。
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